西アフリカで流行中のエボラ出血熱について、「米疾病対策センター(CDC)」がこのままでは来年1月にも患者数が140万人に達する恐れがあるなどと発表し、世界保健機関(WHO)も「11月上旬に2万人を超す可能性」と予想。犠牲者の数も3000人におよぶ勢いを見せている中、リベリアでは住民への指導体制に逆らうような“儀式”が行われていたもようだ。
エボラ出血熱が流行している各地で、世界各国から派遣されている医療関係のスタッフが住民たちに強く訴えかけているのが、患者や犠牲者の徹底隔離。「触れない」ことの重要性だが、終息を阻む要因と常に問題視されていたのが住民の医学的知識の欠如と古くから伝わる習慣。病人や死者に対してそれまで行われてきた祈祷、接触、簡単な土葬を好む埋葬方法は、エボラ出血熱に関しては“禁忌”とされることばかりなのだ。これに関し、アフリカのメディア『allafrica.com』が気になるニュースを伝えている。
リベリア・ニンバ郡で最近、“リベリア人のある医師がエボラ出血熱患者であったホープ村のドリス・クオイさんという40代の女性、およびガンダ・カソリック村のマ・ケベさんという60代の女性の2名を診察。与えられた薬をやめさせ、独自の食事療法に切り替えたら治った。死んだと思われた患者も祈祷によって息を吹き返した”などという噂が、まことしやかに流出していたことが発覚した。
その後、リベリアのメディア『The NewDawn』のニンバ郡版が、噂は真実ではなくその医師がエセであった可能性が高いこと、そして2人の女性患者は亡くなり、すでに埋葬されたことを伝えたが、なかなかメディアの情報が伝わらないとあって多くの村民が「海外の医師より地元の医師が安心。診せて祈祷してもらおう」と騒然となってしまっているとのこと。新たなエセ医師出現の心配や、住民が医療行為より祈祷などと考え始めていることに、現地の関係者らは改めて警戒感を高めているもようだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)