アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】30分間心臓が止まっていた少年、息を吹き返す。(南ア)

南アフリカは現在、夏期である。この時期になると海で溺死する事故が激増するが、30分もの間、心肺停止状態であったにもかかわらず息を吹き返した『奇跡』の少年がいた。

ケープタウンの南にある、ペンギンビーチとして有名な観光地ボルダーズ・ビーチ。このビーチには、ペンギンの生態が見られる場所(有料)と一般人が泳げるビーチ(無料)がある。そこで溺れた8歳の少年が、死亡確認30分後に息を吹き返した。

11月18日、日曜日の天気のよい朝、8歳の少年は両親と共にボルダーズ・ビーチへ遊びに来た。ビーチでペンギンが泳いでいるところを目にした少年は、もっと近くで見たいと親から離れて海のほうへと歩いていった。その後、両親が少年の姿を見たのは、医師が息子を蘇生しようとしている場面だった。

少年をいち早く発見して蘇生を施していたのはムハンマド・スラミー医師。彼もまた家族とビーチに遊びに来ていた。「2人の子供たちの写真を撮っていた」というスラミー医師はビーチを走る娘を追いかけていたところ、泳いでいるペンギンが見えた。そのペンギンの写真を撮ろうとしたとき、すぐ後ろに人間が浮かんでいるのを発見したのだ。瞬時にサンダルを脱ぎ捨て海に飛び込むと、少年を砂浜まで引きずり上げた。

「少年の体を掴んだとき、すぐに『死亡している』と感じた。口からは泡を吹き、脈もはかれなかった」とスラミー医師は後に述べている。しかし医師は心肺蘇生法を試みた。およそ30分、少年の親ですらあきらめていたそのとき、水を吐き出して心臓がゆっくりと鼓動を打ち始めた。誰もが喜んでいたが、救急隊員が駆けつける前に少年は昏睡状態へと入ってしまった。少年の母親は「このまま息子はかえってこないだろう」と絶望的になったという。

だが、さらなる奇跡が起こり少年は次の日に意識を回復、11月23日に退院した。30分も心肺停止状態だったにもかかわらず、少年は後遺症もなかった。

少年の両親は、「私たちの英雄スラミー医師と周りでサポートしてくれた方、そして救急隊員や病院全ての人に感謝します」と述べている。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)