アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】アニメ映画にヒントを得て、風船で空を飛んだ男たち。(中国)

7月初め、11個の水素風船で空を飛んだ男性の映像がネットにアップされ話題になっている。男性はアニメ映画に発想を得て、この計画を思いついたそうだ。テンポよく編集されたビデオには、風船飛行の全過程が記録されており、ネットユーザーからは「天才」、「大胆」といった賞賛の声のほか、「危険すぎる」、「死ななくてよかった」といった無謀さを指摘するコメントが多く寄せられている。

アイデアの基となったのは、2009年に公開されたアニメ映画『カールじいさんの空飛ぶ家』(原題:Up)。主人公のカールじいさんが、10297個もの風船を結びつけた家ごと、”伝説の滝”パラダイスフォールに向けて旅に出る物語である。中国重慶市に住む発案者の男性(29歳)は、偶然見たドキュメンタリービデオの中に『カールじいさんの空飛ぶ家』のワンシーンがあり、今回の計画を思いついたそうだ。男性の計画に集まったメンバーは3人。皆、やるといったらやる、強い志の持ち主だという。

今年4月22日、万全の準備で計画に望んだ男性たちだったが、予想外のアクシデントが起きた。準備してあった風船に朝露がつき、浮力に影響が出てしまったのだ。そのため、当初は体重70キロの発案者の男性が飛ぶはずだったが、急遽、体重50キロのメンバーにバトンタッチ。それでも風船は浮かず、男性はズボン、ライフジャケット、ヘルメットを脱ぎ、Tシャツとパンツ、スニーカーという姿で空に飛び立った。

男性は風船を割るためのナイフ、メンバーと連絡するための携帯、そして記録用のカメラを持っていたが、万が一の時に備えた安全対策用アイテムは何ひとつなかった。「今考えると、あの時の自分の勇気を褒めてあげたい」と男性は振り返る。

カメラの記録から、男性は最高で1000メートル上空まで上がったとみられる。飛行距離は42キロ。男性は、「上空に上がってみると、風向きが予想していたものと違い、金刀峽に行きそうになったので、危険を感じて風船を3つ割り、無事に田んぼに降り立った」と話す。男性が空から降りた時、付近にいた農家の人たちは、まるで怪物でも見たように驚いていたそうだ。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)