台湾では10日から記録的な豪雨が続き、広範囲で洪水、土砂崩れなどの被害が出ている。中部では、南投県と台中市の山間部で土砂崩れが起き、それぞれ作業小屋と山地管理処が土砂に飲み込まれた。これにより4人が死亡、1人がケガを負った。

土砂崩れがあったのは、南投県廬山温泉区上方にある平生集落。先住民族であるタロコ族の最古の集落地とされる地域だ。連日の大雨で11日午前10時ごろ、土砂崩れが発生、作業小屋にいた雇い主と作業員1人が生き埋めになった。作業小屋には雇い主の妻もおり、太ももを骨折して動けなくなっていたところを救出された。妻は病院へ運ばれた後、状態は落ち着いており、当時の様子について「巨大な音とともに土砂が流れ込んでくるのを見て、咄嗟に外に出た」と話した。

また、林務局が管理する東勢林区管理処の梨山工作駅佳陽ステーションが11日夕方土砂崩れの被害に遭い、この日勤務に入っていた男性1人と恋人の女性が生き埋めになった。付近の住民により救出活動が行われたが、2人が見つかったのは深夜で、病院搬送後に死亡が確認された。

気象当局は、豪雨は今後数日にわたり続く見込みだとし、関係機関に対し厳戒態勢を維持するよう要求している。
（TechinsightJapan編集部 片倉愛）