人間が外部から得る情報の80%以上は、眼に依存しているといわれている。その重要なファクターである眼は、ただ視力が優れていれば良いというものではないらしい。そこで、近年注目を集めているのが、“視覚の能力”をバランス良く鍛えるSVT(スポーツビジョントレーニング)だ。
では、視覚能力とは何か? 例えば、眼球運動のコントロール能力や焦点を素早く合わせる調整機能、動体視力等を指す。これらの向上を狙うSVTは、肉体改造を目指す筋力トレーニングや、近視治療を目的とした視力回復トレーニング等とは一線を画した、知的トレーニングといえるだろう。
アメリカ発のこのSVTは、高度な動きが求められるスポーツプレーヤーを中心に広まり、今では欧米をはじめ日本でも浸透し始めている。
このたび、メガネショップの老舗「イワキメガネ」が横浜関内店と町田店にて、このSVTを導入し、話題となっている(初回は約2時間1万500円、2回目以降は6300円)。
専属トレーナーを務める同社の安達俊幸氏は、国内におけるSVTの第一人者・内藤貴雄氏(米国公認オプトメトリスト)に師事し、カーレーサーやテニスプレーヤーなど各界のプロスポーツ選手を指導。同時に、子どもの視覚発達にも力を注ぐ。
安達氏によれば「眼の能力である視覚は、感覚機能・運動機能・情報処理機能の三要素に分けられ、これらのバランスが保たれていることが、本来の眼の良さに繋がる」という。特に、同SVTでは、子ども向けのトレーニングを充実。低年齢から始めることで、勉強や運動に対する苦手意識が軽減され、ひいては集中力や思考力のアップ、潜在能力までも引き出す効果が期待できるという。
情報を脳で素早くかつ正確に処理し、動作に繋げるための具体的なトレーニング方法は、実に多彩。例えば、点灯するライトの箇所を手でタッチし、眼からの情報を素早く動作に反映させる“スープリームビジョン”や、画面にスライドされた数字を瞬時に読み取り、短時間で多くの情報を正確にキャッチする“タキストスコープ”等々、いずれも科学的に検証された訓練方法を用いる。
事前のヒアリングを経て、ひとりひとりに合った効果的なメニューをトレーナーが構成。それに基づいたマンツーマン指導によるトレーニングなので、無理なくマイペースで続けることができる。
多くのアスリートから、その効果は実証済のSVT。高いポテンシャルを秘めた子どもたちの間でも、更なる能力を導く新トレーニングとして広まりそうな予感だ。
■イワキメガネ SVTスポーツビジョントレーニング http://www.eyemetrics.co.jp/svt/index.html
(TechinsightJapan編集部 大川佐和子)