家庭保育のスペシャリスト「チャイルドマインダー」。ここ数年、にわかに注目を集め始めた資格だ。英国生まれの資格であるこの「チャイルドマインダー」は、子どもの行動一つ一つに意味を感じ取り、子どもと質の高い関わりを持つことを目的とする。100年以上の歴史を誇り、英国では「国家職業資格」に認定されているこの資格。日本でも昨年4月にヒューマンアカデミーが唯一、本場英国より「認定スクール」として認められた。核家族化や共働き夫婦が増加の一途をたどる現在の日本。「チャイルドマインダー」は子を持つ親だけでなく、子どもに関わる仕事に就いている人、これから保育に関する職業を目指す人々から高い関心を注がれている。
「子どもの心を知る人」「子供の心を理解する人」。直訳するとこのような意味合いを持つ「チャイルドマインダー」。少人数保育のスペシャリストとして英国で長年に渡り高い信頼と認知度を持つこの資格がなぜいまの日本でこれほど注目されているのだろうか。
核家族が多数を占め、共働き家庭が一般的となって久しい日本。託児所や保育園などの託児施設の需要は相変わらず高い。その一方で、親の職業、教育方針など子ども一人ひとりを取り巻く家庭環境は実にさまざまだ。集団保育現場ではすべての子どもを一律に捉えることが難しくなっているのだ。そのため、ただ子供を預かってもらうだけでなく、一人ひとりの子どもの個性を理解し、自立心を伸ばしてくれる、一歩踏み込んだ保育サービスを求める声が高まっている。その需要に応えるのが「チャイルドマインダー」だ。
赤ちゃんが泣き出す。おむつも汚れていない。ミルクも飲まない。特に体調が悪いようにも見えない。しかし、赤ちゃんは泣きやまない。親もプロの保育士でさえも途方に暮れてしまうことがある。こんなときは、画一的な理由の中から赤ちゃんが泣きやまない理由を探すのではなく、その子のその場の状況を個別に判断し対応することが必要だ。これをできるのが「個」を尊重する「チャイルドマインダー」。一人ひとりの個に応じた姿勢で真正面から子どもと対峙することで子どもの個性、自立心の成長を大きく促すことが期待されている。
そんな背景を受けて、「チャイルドマインダー」としての知識を学ぼうとする人が現在急増している。実際、「チャイルドマインダー」養成のためのスクールも多く存在する。いずれもスクールを選ぶ際のチェックポイントはどれだけ「実務能力」を身につけられるかにある。ロールプレイングやケーススタディをふんだんに取り入れ、より現場に近い環境で実務能力を身につけることが重要だ。
ヒューマンアカデミー株式会社が運営する「チャイルドマインダー講座」は、本場英国が「その人の持つ職能レベルを保証する資格」“BTEC” (Business and Technical Education Council)を日本で初めて認定された講座だ。
講座は「チャイルドマインダー」がいま必要とされている理由と現状を理解することからスタートする。そして最も大切な子どもの安全、親とのコミュニケーション能力を筆頭に、カウンセリングマインドの習得、さらには家族への心理ケアなどを学んでいく。現場に直結したロールプレイングやケーススタディがふんだんに盛り込まれている同講座は、子どもの数だけ多様な保育環境に随時適応できるスキルを身につけることを目標とする。
子どもと接する現場にいるけどどうも上手く対応できない、保育の仕事は未経験だけれども、将来子どもと接する仕事につきたいので資格を探している、育児の不安に悩んでいる保護者、さらには保育のプロとしての独立開業を目指す人など受講者層は様々だ。将来、「チャイルドマインダー」としてしっかりと働いていきたい人のために、ビジネスのスタートの仕方やどう運営していくか。講座ではそこまで掘り下げて指導を行っていく。
今後ますます需要増加が予想される保育の現場。さらに、保護者はただ子どもを預けるだけの場から「心身の成長の場」としての役割を保育に求めている。それらの声に応えるべく「チャイルドマインダー」の需要も比例して伸びていくことは間違いないだろう。
■ヒューマンアカデミー「チャイルドマインダー講座」詳細 http://haa.athuman.com/lpo/child/index.html?code=120331
(TechinsightJapan編集部 北島要子)