2月29日、東京・日本青年館大ホールにて「住友生命 復興支援チャリティーコンサート」が開催された。このコンサートは大阪・森ノ宮ピロティホール(2月22日)に続くもの。大阪同様、これまでも被災地で活動してきたイルカ、ゴスペラーズ、島谷ひとみ、B.B.クィーンズ、神部冬馬が出演した。和やかな雰囲気の中、ときには笑いが起こり、またときには観客も交えて合唱するなど、始終、歌と笑顔でいっぱいのコンサートとなった。
18時半、イルカが客席通路から登場するというサプライズでコンサートは幕を開けた。「前説大好き!」と皆を笑わせながらイルカは通路を歩き、「チャリティーだから皆さんが来ないと始まりません。大勢の皆様、お待ちしていました。ありがとう!」と挨拶。最初から会場はアットホームなムードに包まれた。
このコンサートには、東京近郊へ避難している被災者100名を無料で招待し、売上全額をユニセフの被災地の子供たちへの支援活動に寄付する。そのため、披露された曲も、各アーティストが被災者や復興へ想いを寄せたものが多かった。
島谷ひとみは「しあわせ運べるように」や「故郷」を熱唱。「しあわせ運べるように」は、阪神・淡路大震災当時、神戸市の小学校の音楽教師が作った曲で、被災した人々の心の支えとなってきた曲だという。
またゴスペラーズが披露した「BRIDGE」は、昨年5月に被災地を訪れたときに、崩れた橋や仮設の橋を見て衝撃を受け、ボランティア支援の応援ソングとしてメンバー5人で作詞した曲だ。
またイルカは息子で歌手の神部冬馬と「共に生きる…この時を」を来場者とともに合唱。今回の大震災をうけてこのフレーズが頭に浮かんだという。この曲は、被災地7箇所でも大合唱となったそうだ。
コンサート中盤では、イルカと神部冬馬が、これまで行ってきた「復興応援ふれあい活動」や「復興応援ライブ」についてスライドを使って報告した。これまで岩手、茨城、福島、宮城で、コロッケ、B.B.クィーンズ、島谷ひとみのゲストアーティストとともに、幼稚園や小学校、集会所などを訪れ、子供たちと一緒に絵を描いたり、無料招待ライブを行ったりしてきた。「寒かったし、専門のホールではなかったけど、老若男女の皆さんが歌ってくれた。歌ってすごいと改めて思った。」とコンサート前のインタビューでイルカは語った。
「少しでも前向きに明るく、無理せずに自分のペースで」と被災者にエールを送ったイルカ。コンサートの最後は出演者全員と来場者でイルカの「まあるいいのち」と「なごり雪」を合唱して幕を閉じた。奇しくもこの日、3月を目前にした東京では雪が降っていた。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)