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【異文化妊婦レポート in U.S.A】「デリミートも生チーズも生魚もダメ」。何を食べればいい?極端すぎる?“禁止食品リスト”。

こんにちは。【イタすぎるセレブ達】ライター、アメリカ東海岸在住のブローン菜美です。いつも「イタセレ」をご愛読いただきありがとうございます。さて私事ですが、アメリカ人の夫と結婚してから2年、このほど念願の赤ちゃんを授かり、現在妊娠7ヵ月になります。アラフォーでの初産、異国での妊娠生活。日本のそれとは驚くほど違う米国の妊娠・出産事情を、「異文化ママ」の視点から少しずつレポートしていきたいと思っています。

■妊娠したら、お寿司はダメよ?

一度の流産を経て、再度の妊娠が確定した今夏。喜びよりも「今回は大丈夫だろうか?」と不安を抱えながら、産婦人科の門をくぐった私と夫を待ち構えていたのは、看護師による詳細な面談。これは「家族の遺伝病歴の聞き取り」や、「飲んじゃいけないクスリ」などについての説明のためなのですが、その中で大きな時間を割いて説明されるのが「妊娠中避けた方がいい食品リスト」でした。

リステリア菌感染の危険がある調理済みのハムや肉(デリ・ミート)、低温殺菌されていない生チーズ類などに交じって、このリストの中で特にやり玉に挙げられているのが、魚。メカジキ、マグロやサメ、アマダイやロブスターなど約10種類以上がリストアップされています。特に他の魚を補食している大型の魚類は水銀含有量が高いので避けるべしとのこと。ここまで「アレは食うなコレも食うな」と制限されるとは驚きでした。

一方で「摂取していい魚」は、タラやカレイ、養殖でないサーモンなど7種類ほど、ツナ缶なら“ライト缶”のみとあります。日本の妊婦さんに聞くと、魚どころか食べ物全般にここまでの「禁止リスト」を提示されたことはない人がほとんど。「これはかなりのストレスになるなあ」と正直感じていたところ、看護師さんがたたみかけるように続けました。

「生魚はいかなるものも食べちゃダメね。バクテリアの危険があるから。」えっ、それじゃあ妊娠してから今、無性に食べたいお寿司も、ダメ? そこで夫がすかさず「ウチの妻はジャパニーズで、お寿司が大好きなんですが、それもダメですか?」と口をはさむと「ええ、妊娠している限りダメです!!」と駄目押しが。

アメリカでも、地域によっては生魚を「禁止」とまではうたわない医師もいるそうです。しかし私は前回と今回の妊娠で2ヵ所の産婦人科にて、全く同じ「生魚禁止令」を固く言い渡され、ガーン! 妊娠初期の「食べづわり」の最中にも、夜中にうわごとのように「お寿司が食べたい~」とつぶやいていた私にとって、この先9ヵ月もお寿司のない生活なんて耐えられるかしら、と思っていたのですが…。

「お寿司禁止」はまだまだ甘かった! 夫はこの「禁止食品リスト」を私以上に真剣に捉えていたのです。

ある日、イタリアンレストランで食事をしていた私達。注文したパスタがテーブルに運ばれ、「チーズ、おかけしますか?」と聞かれると、すかさず夫が「それは何チーズですか?」とキリリと質問。結局そのチーズは「ロマーノチーズ」と分かったのですが、O型性格の私は「粉チーズは何でも安全でしょうよ。」とたっぷりとかけてもらいました。

パスタにパクつく私の傍らで、スマートフォンでネットにアクセスし、「ロマーノチーズ」の安全性を調べていた夫。その顔がみるみるうちに青ざめてきて…。「ロマーノチーズは、“避けるべき”食品に分類されているよ。そのパスタ、もう食べちゃダメだ!」ですって。そんなこと今さら言われても困ります。

後で分かったのは、ロマーノチーズも低温殺菌されていれば、OKなチーズに分類されていたこと。産婦人科医の面談以降、このように夫が神経質なまでにワタシに「禁止食品リスト」を守るよう監督してくるようになってしまいました。

でもどうしても食べたければ、ときに少量を食べることにすれば、妊婦のストレス軽減のためにも善かれと思うのですが、いかがなものでしょう? 私がアメリカの産婦人科医達に言いたいのは、巷にはびこる油と塩分たっぷりのハンバーガーやピザといった「アメリカン・ジャンクフード」は、妊婦と胎児の健康上NGじゃないのか、ということ。生魚がダメなら、こういったものも「禁止食品リスト」に含めたらいいんじゃないか、とつくづく思うのでした…。(つづく)
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)