東京都都市整備局は14日、毎年恒例の「捨て看板等の共同除却キャンペーン」の実施結果について、今年の実施状況を発表した。その結果、捨て看板やはり紙などの違法広告物は昨年に比べて600枚近く増加していることが明らかになった。
東京都は毎年、市区および道路管理者、警察などと共同で「捨て看板等の共同除却キャンペーン」を実施しており、今年で15回目となる。
今年は9月1日から10月31日にかけて、港区や目黒区など8区と立川市や町田市など16市の合わせて24市区において、違反広告物の撤去を行った。このほど、その実施結果がとりまとめられた。
今年の期間中における違法広告物の除却枚数は5732枚で、前年と比べて600枚近く増加した。
その内訳を見ると、はり紙が4829枚で全体の84.2%を占め、次いではり札等が518枚で9.0%、広告旗が271枚で4.7%となった。
違法広告を業種別に見ると、不動産業が全体の88.7%にあたる5082枚で最も多くなった。これは昨年の4246枚(全体の81.9%)に比べて800枚近くの増加となっている。尚、二番目に多い風俗営業は240枚で、昨年の408枚に比べて大きく数を減らしていることが分かる。このほか、金融業も19枚で昨年の82枚より大幅に減少している。
元々国は、街路樹や電柱に括りつけられた立て看板(=いわゆる捨て看板)などについて、私有財産の処分にあたるとして慎重な姿勢を示し、自治体へも回収まで一定期間の猶予を置くよう通達していた。しかし、その対応の遅さに住民からの苦情が絶えないことから、都は2001年に全国に先駆けて屋外広告物条例を改定し、「発見、即撤去」を初めて明文化した。
都は今後も、都民や関係団体等と連携して違反広告物の取り締まりを進めていきたいとしている。とは言え、これほどまで不動産業の違法広告が多いのだから、まずは不動産業界が抜本的な改善に向けて自助努力をすべきである。
また、消費者は対応を自治体任せにするのではなく、こうした不動産業者の怠慢に対していっそう厳しい目を向けていく必要があると言えよう。
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)