台湾の大学で、チアリーディングの練習をしていた女子学生がキャッチに失敗し死亡するという痛ましい事故が起きた。台湾では、チアガールのパフォーマンス中の事故死は過去に例がなく、社会に大きな衝撃を与えている。

死亡したのは、中国科技大学新竹キャンパスに通う女子学生（19）。大学では13日に開催される学内チアリーディング大会に向け、13の学科がそれぞれコーチを招いて練習を行っていたという。この女子学生は、大学入学時からチアリーディングチームに参加し練習を重ねており、今回は主役を務める予定だった。

事故が起きたのは、「バスケット・トス」と呼ばれるパフォーマンスの練習中。「バスケット・トス」とは、下の4人が腕で“かご”をつくり、上の1人を空中に飛ばす豪快な技で、飛ばされた1人はさらに空中でさまざまな技を展開するものである。この日、女子学生は高さ2メートル半の練習をそつなくこなしていたため、コーチは高さを3メートルに上げ、空中での動作をさらに美しくするよう要求した。

ところが、“かご”に力が入りすぎたのか女子学生が飛ばされたのは、本来の位置ではなく、下の学生がキャッチに走るも間に合わなかった。女子学生はコンクリートの地面に後頭部をぶつけて倒れ、病院へ運ばれたが死亡した。警察は安全面の配慮を怠ったとして、このコーチを過失致死罪で送検している。
（TechinsightJapan編集部 片倉愛）