全国有数の古本街として知られる、東京・千代田区の神田神保町。近隣には大学のキャンパスも多く学生の多く集まる街であることから、飲食店が林立し、「カレーの街」「ラーメン激戦区」など雑誌の特集が組まれることもしばしばだ。しかし、中華料理店の特集記事はあまり目にしない。このほど「神田・神保町中華街プロジェクト」が始動するというが、一体どのような内容なのか。
確かに神保町には「新世界菜館」を筆頭に中華料理店が数多く存在する。古くから学生の街として栄えた神保町界隈には、留学生も大勢集まっていた。とりわけ隣国・中国出身の学生が多く、明治時代後半から大正時代にかけては中国人留学生向けの下宿屋街、飲食店街が形成され、今も多く軒を連ねる中華料理店が当時の面影をしのばせている。
ここに注目したのが、神保町近くに駿河台キャンパスを構える明治大学だ。大学創立130周年記念事業の一環として、地元飲食店や東京中華学校と協力し、「神田・神保町中華街プロジェクト」を始動させることを明らかにした。
そのキックオフイベントとして、今月8日(土)に「靖国通り京劇・獅子舞チャリティパレード」を開催する。パレードは午後1時15分より靖国通りの神保町交差点付近をスタートし、明治大学リバティタワーまでの間およそ800メートルを30分かけて練り歩く。
パレードでは、東京中華学校の生徒80名が「中華獅子舞・龍舞」を披露するほか、明治大法学部の学生が中国の伝統演劇「京劇」に扮し、総勢200名を超える学生による華々しいパレードが催される予定だ。パレードのゴール地点であるリバティタワー前広場では、東日本大震災への復興義援金も集めるという。
「中華街プロジェクト」ではこのほか、明治大の学生21名が取材・制作した中華街情報誌「KANDA」を配布したり、地元中華料理店の協力による「味の祭典スタンプラリー」も行われる。
「味の祭典スタンプラリー」は神保町界隈にある中華料理の名店や老舗9店の協力のもと、8日から11月19日まで実施される。参加店舗で「味の祭典スペシャルメニュー」を注文するとスタンプが1個もらえる。3個集めると古地図クリアファイルか絵はがきがプレゼントされるというものだ。参加店舗は次の通り。「SANKOUEN CHINA」「咸亨酒店」「中国名菜漢陽楼」「中国料理 源来酒家」「餃子の店 三幸園」「上海朝市」「新世界菜館」「山の上ホテル新北京」「揚子江菜館」
主催する明治大学は、「横浜・神戸・長崎の三大中華街に加えて、神田・神保町界隈を『第四の中華街』としてアピールしていきたい」としている。
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)