震災から半年、復興の象徴となるか。首都・東京に花電車が33年ぶりに復活する。
都交通局は12日、都営交通の創業100周年を記念して都電荒川線にて花電車を運行すると発表した。花電車の運行は昭和53年以来33年ぶり。
花電車とは車両を改造して装飾した路面電車のことで、一般に祝賀行事や祭りなどで運行される。貨物車両という扱いになるため、乗車することはできない。都電では過去に、日本国憲法施行記念(昭和22年5月)や戦後復興10周年(昭和30年9月)、皇太子殿下御成婚奉祝記念(昭和34年4月)などの花電車が運行されたことがあるが、昭和53年の全車ワンマン化・再編成の際の「荒川線再出発記念」の花電車を最後に長らく運行されていなかった。
今回運行される花電車のデザインは、都営交通100周年を祝うバースデーケーキをイメージしたものとなっている。夜にはろうそくの部分に明かりがともり、一層華やかになるという。
花電車は当初、6月から8月にかけて運行する予定であったが、東日本大震災および原発事故の影響により、運行を延期していた。このほど東京電力管内での電力使用制限令が解除されたことから、10月1日からの運行が正式に発表された。
運行予定日は10月1日(土)、10日(祝)、16日(日)、23日(日)、30日(日)の計5日間で、各日とも日中と夜間に三ノ輪橋-早稲田間を1日2往復する予定。尚、荒天の場合は中止となる。
尚、初運行日となる10月1日は荒川電車営業所にて記念イベントが行われ、午後0時半より花電車の撮影会が行われたのち、午後1時半より出発式が行われる。当日は南海電鉄、阪堺電車との共同PRステージや車庫見学会、オリジナルグッズの販売なども実施される。
さらに、東京都交通局では花電車運行を記念して、オリジナルデザインの都電一日乗車券を今月28日より発売する。発売額は大人400円、小児200円で、5千枚の限定販売となる。
芸術の秋。週末は一日乗車券を手に、花電車探しをしながら路面電車のある風景を散策するのも良いだろう。
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)