歴史スペクタクルドラマ『スパルタカス』で、「スパルタカス」役を演じていた英俳優のアンディ・ホイットフィールドが、闘病中だった非ホジキンリンパ腫のため、11日、オーストラリアのシドニーで死去した。39歳だった。

アンディは英ウェールズで生まれ、99年にオーストラリアに移り住み、豪TVドラマなどで活躍していた俳優だが、「スパルタカス」役に抜擢されるまでは文字通り無名だった。「スパルタカス」はたくましいトラキア人奴隷のスパルタカスの反乱を描いた壮大な物語。1960年に、俳優カーク・ダグラス（94）が製作費1200万ドルをかけ主演し、スタンリー・キューブリック氏が監督した同名の大作映画で知られている。

アンディ主演で製作されたドラマ版の『スパルタカス』は、日本ではスター・チャンネルで昨年7月から放送されている。オリジナルは米ペイチャンネルの『Starz』で放映されていたものだが、「シーズン1」は、同チャンネルのオリジナルドラマの視聴者数としては新記録を樹立するほどの大好評を博した。しかし、「シーズン2」の製作に入る直前に、アンディが非ホジキンリンパ腫（悪性リンパ腫の一種）を患っていることが分かり、製作陣は彼の治療・回復を待ってクランクインを延期していた。

しかし今年1月ごろ、快方に向かっているとばかり思われていたアンディの病気が再発、病状が悪化したため、彼は番組を降板。『Starz』側は、代役として豪俳優のリアム・マッキンタイア（29）を選んだと発表していた。

11日、アンディのマネージャー、サム・メイデュー氏は次のような声明文でアンディの死去を発表した。「美しく若き戦士アンディ・ホイットフィールドは、美しいシドニーの春の朝、家族に囲まれ愛する妻の腕の中で、18か月に及んだ非ホジキンリンパ腫との闘いに負け、この世を去りました。」彼の妻ヴァシュティさんは、「彼は人々を感動させた勇気のある優しい男性、夫、そして父親として、人々の記憶に刻まれ続けるでしょう。」と声明を出した。

類似病であるホジキンリンパ腫を近頃克服した俳優に、TVドラマ『デクスター』主演などで知られるマイケル・C・ホール（40）がいるが、アンディの場合は残念ながら病に勝てなかったようだ。アンディ自身、『スパルタカス』降板の時は「このような素晴らしい作品から退かなければならないとは、非常に残念です。」との声明を出していたが、志半ばでの病死とはさぞかし無念だったに違いない。心からご冥福をお祈り申し上げたい。
（TechinsightJapan編集部 ブローン菜美）