writer : techinsight

西日本一の水の産地・鳥取。Twitterを活用して美味なる食材を全国へ。地域活性化への期待も。

福島第一原発の事故を受けて今、西日本産の野菜を買い求める人が増えている。スーパーや八百屋はもちろん、宅配業者も西日本野菜セットを販売するなどの取り組みを行っており、インターネット上には西日本産の野菜を購入できる通販サイトが乱立している。にわかに注目を集める西日本野菜。しかし、もともと西日本は誰もが認める食材の宝庫だ。なかでも今回は西日本で一番水がおいしいとされる鳥取県産の野菜をご紹介したい。

鳥取県というとほとんどの人は砂丘を連想するだろう。砂漠のように乾燥した砂嵐が舞うイメージを持つ人もいるだろうが、実は年間降水量は1800ミリほどで東京とさほど変わらず、特に冬場は季節風の影響で豪雪になることもしばしばだ。

そんな鳥取県は、西日本一のミネラルウォーターの産地でもある。国立公園・大山のブナの原生林に長い時間をかけて浸透した湧水は日本の名水百選に選ばれるほど良質で、大手飲料メーカーのミネラルウォーターの採水地にもなっている。

「日本有数の水がおいしい土地なのだから、そこで作られる野菜や果物が美味しくないはずがありません!」そう語るのは、地元・倉吉市の地産ショップ「coup! la cafe(クラカフェ)」の秋山真有美さんだ。秋山さんによると、最近は地元の人達にとどまらず、関東地方からの問い合わせや通販サイトでの購入が増えているという。

先月末には朝日新聞の首都圏版でご当地お取り寄せ特集が組まれ、中でもトマト、キュウリ、カボチャなど旬の夏野菜をセットにした「NATSUセット」に注文が集中した。倉吉市は40年ほど前からトマトの栽培に力を入れており、地元ブランド「大原トマト」はぎっしり身が詰まって果汁がほとんど出てこないと定評がある。

そして秋山さんのオススメは「梨」だ。確かに鳥取県は二十世紀梨の名産地で、倉吉市も県内有数の生産量を誇る。冷蔵庫で冷やして食べるのはこの時期最高の贅沢だが、「それだけじゃないんです」と語る秋山さん。最近は梨ジャムや梨ドレッシング、さらには梨の石鹸が人気を集めているという。

梨と石鹸?意外な組み合わせだ。しかし安易に地元の名産品を織り込んだのではなく、ちゃんと梨を使う根拠があるのだという。梨は元々漢方でも重宝されており、のどの炎症緩和や消化の促進、アスパラギン酸による疲労回復の効果があるなど、体に良い食品なのだ。また、梨の表面はザラザラしているが、これが梨パウダーとして毛穴に密着し、汚れをしっかり取り除いてくれるという。さらに、梨に含まれる蜜には保湿効果もあるというから、一石三鳥にも四鳥にもなりそうだ。

「coup! la cafe」ではこのほか、中東・ドバイで大絶賛され高値で取引されたスイカ「ドバイの太陽」など珍しい種類の果物も扱っているという。

鳥取と言えば全国でも過疎化が深刻化する地域。本当に美味しい野菜や果物がしっかりと全国に伝われば、地域活性化にもつながる。前出の秋山さんによると、「coup! la cafe」では全国へのPR手段としてTwitterのハッシュタグを活用したり、今後はFacebookを使って専門家チームを編成し、商品の更なる改良を進めたいという。

「coup! la cafe」では購入者が好きな商品を選んで自由にセットにできるオリジナルお中元サービスも実施している。「お中元に、水の美味しい鳥取の野菜・果物」を贈るのも良いだろう。

「coup! la cafe(クラカフェ)」http://www.couplacafe.com/
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)