6月28日現在、マリア・アフリカンダーさん(35)は、ケープタウンから戻ってくるDNAの結果を待っている。その結果によっては8歳の少年が、自分の娘を殺害した犯人となるからだ。
南アフリカの西部にあるブレデンダルで、約2ヶ月前、アフリカンダーさんの娘ジョアンちゃん(3)がワインファームの中で殺害されているのが発見された。彼女が生きているジョアンちゃんを最後に見たのは母の日、ジョアンちゃんはアフリカンダーさんの父親の家の前で遊んでいた。アフリカンダーさんは娘を父親のもとに預けて、250メートルほど離れた場所でフェトコーク(vetkoek)という南アフリカ伝統のケーキを焼いていた。
そのままジョアンちゃんは父親のもとに泊まっていると思い、アフリカンダーさんが翌朝迎えに行くと、父親いわく「ジョアンは夜、(父親の)家で寝ていなかった」ことがわかった。パニックになりながらも友人宅へ聞きに行くが、ジョアンちゃんは見つからない。アフリカンダーさんはまさか娘が殺害されているとは思っていなかったので、ダムやワインファームなどあらゆる場所を探したがみつからず、警察に報告した。
アフリカンダーさんが警察に報告をしに行っている間、ある少年が彼女の義理の姉に「ジョアンの死体をワインファームで見つけた」と言ってきた。恐怖でいっぱいのアフリカンダーさんが最初に見たのは娘の服。「ジョアンは自分で靴の紐すら解いたことがない。きっと誰かが服を脱がせたんだ」と確信したそうだ。
服のすぐそばにジョアンちゃんは裸で横たわっていた。側頭部は大きな殴られた痕があった。遺体のそばには、ジョアンちゃんを殴ったものと思われる血に染まった石も発見された。
警察はある8歳の少年の服を検査に出すことにした。アフリカンダーさんの義理の姉が、遺体発見の前日、自分の子供と遊んでいるこの8歳の少年の服に血が付いていたのを見たからだ。その数日後、アフリカンダーさんはジョアンちゃんの遺体を見に行った際に、ジョアンちゃんの太ももに小さな歯型を発見し、さらに少年の犯行に疑惑を深めることとなる。
数日前、8歳の少年は、いかにして自分ともう1人の友人がジョアンちゃんをワインファームの土手に投げ捨てたかをいとこに自慢げに話していたそうだ。「たった3歳の子供を石で殴り殺すようなひどいことがどうしてできるのか。おそらくドラッグでハイになっていたのだろう。」とアフリカンダーさんは言う。この8歳の少年は少年犯罪が起こる場所には必ずいるようなタイプ。ちなみに似たような事件が数年前にこのブレデンダルの近くで起こっていた。それは未成年2人によって8歳の少年が斧で殺害されたというもの。今回の事件も類似しているが、数年前の未成年はすでに逮捕されている。
警察では8歳の少年を含む2名を本件の容疑者と断定はしていないが、DNAの結果を待って捜査を進めていく予定だと発表している。
小さなコミュニティだからこそ犯罪を抑えられるのだが、貧困にアルコールとドラッグがあると犯罪を増長させるのだろうか。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)