現在は、さまざまなデバイスがGPS端末に対応し、位置情報を利用したり、現在地から目的地までのナビを行うことができる状況であるが、それをさらに進めて、ヒトやモノといった移動体の位置情報を高度に集約したものを、公共サービスなどにして提供できる新たなクラウドサービスが富士通から提供開始される。
サービス名称は、「SPATIOWL」である。
「SPATIOWL」は、「基盤提供サービス」と「業務提供サービス」との2つのサービス群で構成される。
「基盤提供サービス」は、車両を走行させることで収集される情報や、さまざまなセンサーから収集される大量の位置情報を活用し、多様なデータをリアルタイムに分析したり、外部情報と連係させる機能群をクラウド・コンピューティングで提供するものである。
これにより、法人の企業・団体などのユーザーは、リアルタイムな渋滞情報の提供や都市計画の立案、新たな地域住民サービスの提供など、位置情報を活用した独自のサービスを開発し、新たな価値を創出することが可能である。
たとえば、道路計画において、特定の時間帯に渋滞が頻発するエリアを、情報解析により原因を追究していき、その結果近傍交差点を時差式にしたり、車両と歩行者の交互横断に変更するといった措置が取れる。
経年比較により、急に交通量が増えた道路については、車線拡幅や線形改良などの計画を立案することもできる。
また、民需では新規店舗出店計画の立案や、店舗ディスプレイの計画、商用車運行指令などといった利用法が考えられる。
サービス提供開始は、2011年7月に予定されている。各行政機関や事業者は、自組織のシステムにどのように連携させて、新たな価値を創出するかについて、さまざまなソリューションの展開が期待される。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)