震災後の電力供給逼迫に対応する節電措置と併せて、2010年4月の改正省エネ法の施行により、事業者単位でエネルギー管理を行うことが義務付けられ、年間のエネルギー使用量が一定以上の企業は、CO2排出量を毎年1%削減することが求められている。
そこで、今般、NECでは環境負荷情報の収集・開示を効率的に行うクラウドサービスの提供を開始する。
NECの環境情報マネジメントソリューション「GreenGlobe(グリーングローブ)」において、新たに提供されるサービスとして、CO2排出量などの環境負荷情報を世界中の拠点から収集し、本社で一元管理できる「GreenGlobe Data Visualizer(グリーングローブ・データ・ビジュアライザー)」と、企業全体の電力使用量を管理する「GreenGlobe Energy Viewer(グリーングローブ・エナジー・ビューア)」の2種類がラインナップに加わった。
「GreenGlobe Data Visualizer」は、環境負荷の原因となるエネルギー(電力・燃料)や化学物質、紙、水などの使用量、およびCO2や廃棄物の排出量に関するデータを複数拠点から収集し、一元管理できるようにするクラウドサービスである。
収集されたデータは自在に編集可能であり、CSRレポートや行政機関への報告書など、用途に応じて最適な形式に加工することが可能である。
「GreenGlobe Energy Viewer」は、ビルエネルギーマネジメントシステム(BEMS)や他の消費電力収集システムと連携し、企業全体の日別や時間帯別の電力使用量を本社で一元管理できるようにするシステムである。
全社の電力使用量をグラフなどで見える化できるほか、過去実績データや目標データとの対比により、使用量の予測シミュレーションを行うことも可能。また、電力使用量に基づき電力コストやCO2排出量を部門単位に表示する機能も搭載している。
サービスは、クラウドで提供されるほか、パッケージソフトウェアとしても提供されるので、自社環境に最適な形で適用できる。
「GreenGlobe Data Visualizer」の利用料は、1ユーザあたり3250円/月となっており、2011年6月10日から提供が開始される。
「GreenGlobe Energy Viewer」の利用料は、1部門あたり200円/月からとなっており、2011年7月末から提供が開始される。
2011年は、節電とCO2削減に対して、不退転の覚悟で取り組まなければならない。
漠然とした節電目標を立てるだけではなく、リアルタイムで電力消費量を把握し、許容ピークを超しそうになったときに、どこから電力を削減するか優先順位を付けておく必要がある。
そうしたニーズに対して、早期の導入と運用が可能な本クラウドサービスは注目に値するであろう。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)