日立製作所は、今般の東日本大震災で可及的速やかな取り組みが求められることとなった事業継続計画上の課題を洗い出す「事業継続リスク簡易診断」を2011年6月1日から無償で提供を開始する。
「事業継続リスク簡易診断」は、日立グループがこれまで培ったBCM(事業継続マネジメント)コンサルティングの技法を簡易化したツールを用いて、サプライチェーンや電源設備などの観点も含めて診断するものである。
今回の震災では特に、サプライチェーンの面で多くの課題が表面化している。
BCP(事業継続計画)を策定する上でサプライチェーンの視点は必要であるが、経営効率化の視点でのSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)は事業継続の視点からは問題を含んでしまう可能性がある。
供給の連鎖を統御するSCMは、一社単独で成立するものではなく、関連企業との連携が重要であるため、どこかのサプライヤーが機能停止に陥ったときに、事業継続全体に影響を及ぼすからである。
もともと、在庫保有量を極力抑えることに主眼を置いて開発されてきたSCMシステムについて、この簡易診断では、適正在庫の保有について見直しを行いながら、SCM視点とBCP視点の双方を含んだ計画がなされているかどうかを診断する。
また、計画停電と長期的な電力不足の懸念に対応するため、自家用発電機の新設・増設、節電対策の徹底が求められている。
最悪の事態とも言えるブラックアウト(一斉停電)が起きたときにでも、速やかに自家発電に切り替えることのできる体制作りも必要だ。
「事業継続リスク簡易診断」では、同社がこれまでデータセンタ事業などで培ってきた電力確保のノウハウをもとに、電源設備の課題を洗い出す。
診断サービス申し込み方法などの詳細については、下記サイトで見ることができる。
http://www.hitachi.co.jp/products/it/bcm/
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)