11日、台湾の警察当局と中国公安省が連携し、中国、台湾、カンボジアなど東南アジア4カ国で、振り込め詐欺集団600人を一斉逮捕していたことがわかった。逮捕された集団には410人の台湾人、181人の中国人がいたが、中には「台湾の監獄の方がいい」と、台湾人に成りすまし取調べを受けた中国人もいたという。

警察によれば、近年、中国ではお金を騙し取られる人が増えており、その金額も高額になっていた。中国では詐欺を一掃すべく高額な詐欺犯には死刑あるいは無期懲役の重刑を科す方針を固めた。この重刑に驚いた台湾詐欺集団は東南アジア各国に拠点を移していた。

台湾での詐欺への刑罰は軽いため、詐欺集団逮捕時、台湾人と中国人では気分に大きな差が見られたという。およそ30人の中国人詐欺犯は台湾人のフリをして取調べを受けた。しかし、同じ中国語でも台湾と中国の発音には違いがあり、さらに台湾人なら覚えているであろうIDナンバーも覚えていなかったことから、その場で中国人であることがバレてしまった。

警察は、台湾人詐欺犯たちは当初、中国へ送られることを心配していたが、台湾へ戻されると分かった途端に態度が変わったと話しており、低リスクでハイリターン、軽い刑事責任といったこの種の犯罪への法のあり方の問題点が浮き彫りになった。
（TechinsightJapan編集部 片倉愛）