映画『マルコヴィッチの穴』などで知られる個性派俳優のジョン・マルコヴィッチ(57)が、滞在中のチェコ共和国の首都、プラハのホテルの部屋から貴重品などを盗まれた。
マルコヴィッチは『プラハ・スプリング・ミュージック・フェスティバル』で上演される、実在したオーストリアのシリアルキラーについて描いた舞台『The Infernal Comedy: Confession of a Serial Killer』に主演するため、超高級ホテルのマンダリン・オリエンタルに宿泊していた。
しかし2日、部屋に置いていたパスポートや書類、貴重品などがなくなったということだ。貴重品の中には、携帯電話2台も含まれていたらしい。ホテルの広報担当者は「盗難は事実で、現在捜査が行なわれているところです。」とロイターに伝えた。
マルコヴィッチは翌3日、お隣のポーランドはウッチ(Lodz)に飛行機で向かう予定だったが、盗難のため数時間遅らせることを余儀なくされてしまった。そこでは「ウッチ映画学校」の学生と会い、マルコヴィッチが監督した映画デビュー作『The Dancer Upstairs(原題)』をスクリーニングすることになっていたが、時間を遅らせて無事こなしたという。
その後マルコヴィッチは、ポーランドの首都ワルシャワでも、同じ舞台『The Infernal Comedy』を上演する予定。実は彼、このプロジェクトを引っさげ、年内中は英国、ロシア、オーストリア、そして米国中を旅しながら上演して回る予定なのだという。
映画や舞台では、通常「罪を犯す側の人物」を鬼気迫る演技で魅せるのがはまり役のマルコヴィッチだが、今回は運が悪いことに、共産主義時代の影響で外国人旅行客を狙った犯罪があとを絶たないプラハで、悪党の「被害者」となってしまったようだ。お気の毒に。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)