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「初の母親役、娘役とは3歳差」「セリフよりネギの練習」… 映画『つるしびな』トークショーで出演女優の本音続々

宮城・涌谷町が舞台となり、震災の影響で上映中止となった映画『つるしびな』の復興支援チャリティ上映会が6日、東京・中野の野方区民ホールで開催され、和楽器の生演奏や、大和優雅監督と稲村優奈、村井美樹ら主要キャストによるトークショーが併せて開催された。映画の上映後に催されたトークショーでは、出演者による舞台裏のエピソードが次々と明かされた。

映画『つるしびな』は、小ネギ農家を営む父と娘の葛藤や心の触れ合いを描いた心温まる作品で、大和優雅監督のデビュー作。随所に登場する宮城の美しい自然や文化も見どころだ。

6日に開催された復興支援チャリティ上映会では、映画本編の上映後に大和監督と主要キャストが登壇し、映画にまつわるエピソードが続々と明かされた。

村井美樹と大和優雅監督(撮影:鈴木亮介)

冒頭、壇上には大和監督とともに主人公の母親・及川志津役を務めた村井美樹が登場。村井は京都府出身の31歳。2002年にミス早稲田を受賞後女優デビューし、「サウスバウンド」「間宮兄弟」等の映画や舞台、ドラマに出演するほか、昨年は漢検1級を取得し「クイズプレゼンバラエティーQさま!!」「クイズ雑学王」などのテレビ番組でも活躍している。

今回、「村井さんじゃなきゃだめだ」と大和監督の再三にわたるラブコールに応えて自身初の母親役を務めたということだが、村井は「実は娘役の稲村優奈ちゃんとは3歳しか歳が離れていない」と驚きの事実を明かし、会場を湧かせていた。

主演・稲村優奈と名波海紅

その後、2人がMCを務め、主要キャスト陣が続々と登壇した。及川桃子役で主演を務めた稲村優奈は鹿児島県出身の28歳。「家庭教師ヒットマンREBORN!」「ギャラクシーエンジェる~ん」など様々なテレビアニメの声優を務めているほか、本作にも出演する花村怜美とユニット「sorachoco」を組み、音楽活動も行っている。

稲村は今回が映画初主演。病院勤務のシングルマザー役を務めたが、自身も幼稚園教諭二種免許や保育士免許を持っており、子役・名波海紅と息のピッタリ合った芝居を披露している。この日も楽屋裏で名波とあっち向いてホイをして遊び、緊張をほぐしてあげたことを明かした。

片山享は監督の「無茶振り」を暴露(撮影:鈴木亮介)

成沢浩次役の片山享は「動物園へ車で向かうシーンで、台本に『動物園の歌を歌う浩次』とだけ書いてあり、本番数日前に自ら作らされた」と、監督からの無茶振りエピソードを語った。

大泉香苗役の花村怜美は「台本の次にもらった資料がネギの資料。作業の様子をDVDで見て自主練習したり、実際に涌谷町に行って教えてもらい、どれだけ慣れた手つきでやるか追求した」と撮影時のエピソードを明かし、同僚役の岩男和子から「セリフよりネギ(の練習)だったよね」と突っ込まれていた。ちなみに、花村らが撮影時に作業した小ネギは実際に地元の農協に出荷されたという。

花村怜美、岩男和子らの「ネギさばき」にも注目(撮影:鈴木亮介)

トークショーは終始和やかな雰囲気で、「キャスティングには120%の自信を持っている」と大和監督自ら語る通り、出演者陣のコンビネーションの良さが伝わるものであった。

トークショーの後は、来場者全員で桃のつるしびなを実際に折る「被災地復興祈念の大折り紙大会」が催され、出演者自ら折り方をレクチャーして回った。出来上がった桃の雛には東北の被災地へ向けたメッセージが書き込まれた。後日つるしびなの形に仕上げた上で、涌谷町役場に寄贈するという。

キャスト自ら客席を回り、折り方をレクチャー(撮影:鈴木亮介)

また、会場では主演・稲村優奈がキャラクターデザインを行った涌谷町箟岳(ののだけ)観光会館の「ジンギスカンのたれ」も販売された。イベントの収益は全て涌谷町の災害対策本部に寄付され、震災災害復旧及び復興事業に使用される。

涌谷町の特産品「ジンギスカンのタレ」(撮影:鈴木亮介)

尚、映画『つるしびな』は地元・宮城で5月より一般公開する予定だったが、震災により映画館が被害を受け、公開中止を余儀なくされた。現在、一日も早い上映を目指し、公開できる映画館を探している。
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)