パナソニック ヘルスケアは、言語および上肢に障がいをもつ方を対象とした意思伝達装置「レッツ・チャット」を発売した。
「レッツ・チャット」は、文字板の点灯や音声ガイドに従ってひとつの入力スイッチを押すだけで、文章の作成・保存・呼出および表示・読み上げ・印刷が可能な意思伝達装置である。
「レッツ・チャット」はパナソニックの社内ベンチャー会社「ファンコム株式会社」が2010年まで開発・販売を行っていた製品であり、本製品は、その後継モデルとして性能向上を行ったものである。
障がいをもつ方は外出や会話が困難であっても、近年はパソコンというツールが浸透し、何らかのコミュニケーションを楽しむ人が増えている。
でも、もし声が出せない上に手も足も動かせず、手話もパソコンも使えなかったら?
本製品は、そんな重度障がいをもつ方のコミュニケーションを支援することを目的として開発された。
本製品により、周囲とのコミュニケーションが困難な方も、体のわずかでも動くところを使って家族や友人、ヘルパーなどに要望や意思を伝えるなど、日常のコミュニケーションを行うことができる。
あらかじめよく使う用語「お願いする」とか「トイレに行かせてください」などを登録しておいて、ボタン一つで表示や読み上げができる。
さらに、テレビリモコンや呼び出しブザー機能も搭載しているため、介護する側の負担を軽減することができる。
出力インターフェースとして、外部出力端子 2系統、外部ブザー端子、イヤホン端子、スピーカー端子、赤外線信号端子(いずれもモノラルミニジャック)、プリンター用USB端子を持つ。
特にプリンターに接続することで、四肢が不自由でも文章を作成して知人に近況を報告することができる。
福祉施設などでの活用が期待されるとともに、個人が購入する場合は、補装具給付制度「重度障害者用意思伝達装置」を活用することで約1割の負担で購入することができる。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)