2011年夏に予想される電力不足に対応すべく、日本マイクロソフトは、Windows オペレーティングシステム(OS)を搭載したPC(以下Windows PC)の節電に関する情報提供および効果的な利用方法を提案した。
同時にWindowsにおいて複数に及ぶ節電設定を一括で行う「Windows PC自動節電プログラム」を2011年5月10日より同社ウェブサイトからのダウンロード提供を開始するとともに、節電設定に関する一般ユーザー向け無償電話サポート窓口を開設する。
同社の評価結果によれば、最新のPCは、5年前に発売されたPCに比べて平均約53%の節電効果があり、また、ノートPCはデスクトップPCに比べて平均約66%の節電効果がある。
また、PCの電力量はOS起動時に多く消費しており、OS起動時はスリープ状態からの復帰時に比べて3倍以上の電力量を消費している。
電源OFF時の待機電力とスリープOFF時の待機電力との間には約0.5W(ワット)の差しかない。したがって、1時間45分以内にPCを再度使用する場合は、スリープ(Windows XPではスタンバイ)が推奨される。
PC利用時の最も有効な節電策はディスプレイの輝度調整である。画面の明るさを100%から40%に変更することで平均23%の電力削減が可能である。
これらの結果からWindows PCの利用において、スリープもしくはスタンバイの有効活用と利用時のディスプレイ輝度調節による節電効果が高いといえる。
これに伴う「Windows PC自動節電プログラム」の概要としては、Windows PCにおいて節電効果が望める複数の項目を一括で設定するものである。
対象OSはWindows 7、Windows Vista、Windows XP (全ての Service Pack)。
内容は、「画面の明るさ」を40%(Windows 7, Windows Vista ノート PCのみ)とし、不使用時での「ディスプレイを暗くする」までの時間を2分(Windows 7 ノートPCのみ)とする。
さらに不使用時での「ディスプレイの電源を切る」までの時間が5分、不使用時での「コンピューターをスリープ状態にする」までの時間を15分とする。
いずれの設定項目も手動で行うことは可能であるが、多くの社員に一斉に指示書を渡して作業させるよりも、自動設定を行うプログラムを配布したほうが効率的で、IT資産管理システムを導入している企業では、強制的にインストールすることも可能だ。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)