テレビ「ホンマでっか!?TV」への出演を辞退していた経済評論家、門倉貴史氏が同番組のスタジオに登場した。彼はコメンテーターの先生方に相談したいことがあるというのだ。
「“門倉の変”を起こしてしまい、ご迷惑をおかけしました」と門倉貴史が現れたのは5月25日放送の「ホンマでっか!?TV」だった。
手土産をもち出演を辞退したことを詫びる態度を見せる彼を前に、アシスタントの加藤綾子アナが容赦なくこれまでの経緯を説明した。
彼女は「今年2月、ご自身のブログで突然の番組降板を宣言しました。理由として『チンベルを押しても当てられない』、『芸人扱いされるのが嫌』」というものでした」と門倉貴史氏の番組降板までを具体的に紹介したのである。事実を再確認することは門倉氏が復帰する上でも大切なことで、曖昧にしなかった点は良かったのではないか。
門倉氏はそれに対してブログは確かに書いたと認めると「私はもうちょっと“ポップな感じで”書いたつもりだった。深刻なつもりで書いたワケではない」と本心を明かしたのだ。そして彼は居並ぶ先生方に悩みを聞いて欲しいと切り出したのだ。「ギクシャクせずにホンマでっか!?TVに戻る方法」を知りたいというのである。
これに対して先生方は実に真剣に答えた。再び共演する上でも自分の考えを知らせることは彼らにも必要だったのだ。生物学評論家の池田清彦氏は「人は場所に応じて役割やキャラが変わることを理解せよ」とアドバイスした。また、「気にせず普通にやっていれば面白いとみんな思っている。澤口さん(脳科学評論家)より門倉さんの方が好きな人が本当は多いんだよ」とまで言ったのだ。池田氏の奥さんも「門倉さんが出なくなって番組を見なくなった」ひとりだそうだ。
ところが池田氏の「自分が気にするほど他人は気にしていないもの」という発言に激怒したのが脳科学評論家の澤口俊之氏だった。彼はチンベルを連打しながら「こっちは気にしてないって? してますわ!」と声を荒らげた。門倉氏はブログに出演辞退の理由として「脳科学者の方」が発言を妨害すると書いているのだ。
澤口氏はそのことが気になり「あれから3kgくらい痩せました」と明かした。彼は『脳科学者』と特定されたことよりも「問題は門倉さんの『意見を批判することがまずいという主張』にある」と言う。学者は批判しあってこそ進歩するものであり「私は学者として否定された」と彼は感じており「私にとって門倉先生はトラウマ」とまで言い切ったのだ。
しかし「ギクシャクせずに解決する方法はある」と澤口氏は続けた。トラウマを治すには「新たな情報により解釈を変えると嫌な記憶が修正される」と言うのだ。今回の場合は門倉氏に対して『ここに辛い思いをして来たこと』や『ポップなつもりでブログを書いたという事実』を新たに知ることができた。澤口氏はそうした付加情報で「なんだ、門倉先生にも悪気はなかったんだ」と記憶を修正することができると説明した。
周囲から「許したということですか?」と確認されると、澤口氏は「当然じゃないですか! 原因はこっちにもあるわけです。仲間ですから」とハッキリと答えた。これには共演者が「男澤口!」と叫ぶと、さんまも「ルーキーズみたい」と感激していた。
さらに心理評論家の植木理恵氏は「門倉の変はポジティブな意味があった。『ここは謝るが、ここは言いたい』というところは貫くべき」と助言した。
尾木ママこと教育評論家の尾木直樹氏は、門倉氏が上手くしゃべれないキャラは「テレビ的にはホッとする部分があって良い」と評価するが「経済評論家としては危機的な面」だとも指摘した。信頼度を高めるためにも経済評論家として「ホンマでっか!?」と思わせる発言をしていくべきだとアドバイスしたのである。
こうして、先生方から真剣なアドバイスを受けると門倉氏は「チンベルを押すのが遅いのは左利きだから」と的外れなコメントをしてさんまをズッコケさせた。彼もバラエティ用のキャラを取り戻せたようだ。最後は共演者一人ひとりにハグされて復帰を歓迎されていた。
門倉氏は放送後にブログで「『ホンマでっか!?TV』ご覧いただきありがとうございました!」とのタイトルで「来週放送分からまたレギュラートークに参加いたします」と記している。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)