「被災者の為にいったい何ができるか、自粛とはなにか。」と常に考え続けていたスガシカオ。4月8日自身のブログ「コノユビトマレ」で「復興支援LIVE公開」と題して、YouTubeより無料でライブ映像を発信している。
スガシカオは、被災地の人たちはもちろん、支援に行っている人たちの為に「音楽で力になれないか」と考えたという。その結果ライブをすることを決意。しかし外のライブではなく、音楽スタジオ内で行い、録画したものを配信している。
なぜこのようなスタイルでライブを行ったのかというと、通常のチャリティーライブであれば地域的に来られない人もいることと、電力も必要となるという理由からであった。このような形式であれば、全国どこでも見ることができる。また今は見ることができない被災地の人たちも、いつか見てもらえるかもしれないという希望もある。
そういう願いを込め、一発撮りで「Progress」を歌った。スガ自身節電を意識しており、派手な演出はせず手作り感溢れるものとなっているが、質より気持ちを大切にした。「この歌で、どこかで誰かが一人でも勇気を持ってくれればいいな」と想いを込めてライブを撮ったという。
スガは前々日の4月6日の日記では「被災者たちが本当に望んでいることは自粛なのか」とファンたちに問いかけている。音楽業界では次々とライブの自粛が相次ぎ、自粛ばかり先走ることに疑問を感じていた。その答えが今回のライブなのかもしれない。
派手な演出ばかりがライブではない。今自分ができること、何もしないで自粛ムードに飲まれるのではなく、スガシカオは気持ちを重視し動き出した。ギラギラした飾りは必要ない。人として正直な「想い」だけがこの映像には詰まっているのではないだろうか。私たちが今できること、それは人それぞれ違う。個々の想いの表現方法が異なるからだ。それに気付いた時「自分が今本当にできること」の答えが見つかるのではないか。
(TechinsightJapan編集部 うずらの珠子)