震災の影響で様々なイベントが中止となっている。節電などは確かに重要であるが、不謹慎や自粛の傾向が先走ってしまい、静かに過ごそうとする風潮が今の日本には広がっている。アーティストのスガシカオは4月6日、自身のブログ「コノユビトマレ」で「被災者の人達が本当に望んでいることは自粛なのか?」とファンに問いかけている。
スガは「今できること、すべきこと」を震災発生から、ブログを通して考えてきた。
少しずつ発生当初とは状況は変わって来ているので「すべきこと」も変わってはきている。音楽業界ではライブなどの中止が相次ぎ、世間では祭りや花見、スポーツイベント、とにかく自粛傾向にある。ただ節電対象である東日本であればそれは自粛するべきかもしれないが、西日本の祭りについては中止してほしくなかったとスガは記している。
確かに毎日放射能や安否確認、節電や災害のニュースが流れているとそういう気分にはならないだろうが、被災地の人達が今本当に望んでいることは「自粛なのか」とスガは問いかけた。スガの知り合いのミュージシャンは夏までライブを中止にするという。理由としては「東北の人だけ楽しめないのは不公平だから」ということだった。それぞれに考えがあるが、本当に自粛することが被災地の人達の為になるのだろうか。
ある記事で松山千春の言葉が反響をよんでいる。松山はラジオで「知恵がある奴は知恵を出そう。力がある奴は力を出そう。金がある奴は金を出そう。『自分は何にも出せないよ』っていう奴は元気出せよ」という言葉を投げかけた。今、多くの非被災者が被災された人達の為にすることは、ただ悲しみに同調し、静かに過ごすことだけだろうか。自粛ばかりでなく、イベントを通常通り行い、その収入から寄付を出したりすることがもっともっと被災者の為になるのではないか。また、放射能問題で野菜など農産物も神経質になっている兆候もある。そういう打撃こそが風評被害で、どうしたら助けることができるかを考えることが必要なのではないか。今本当にすべきこと、それはスガが言うようにただ静かに何もしないことだろうか。
その状況の変化に私達が今一番気付かなければならない。
(TechinsightJapan編集部 うずらの珠子)