東北出身のお笑い芸人、サンドウィッチマンと狩野英孝がテレビ番組で震災について語った。実際に現地の状況を見聞きした彼らは被災地にどう支援するかを悩んでいるようだ。
サンドウィッチマンの2人は東日本大震災発生時に気仙沼市でロケをしており、津波による被害を目の当たりにした。小高い場所に避難して難を逃れた彼らはその直後からブログやテレビ、ラジオとあらゆるメディアから被災地の状況を伝え、報道の仕方などにも言及しているのだ。
彼らは、その気仙沼市を再訪した時のことを4月3日に放送されたテレビ「ボクらの時代」で話した。
サンドウィッチマンが再び気仙沼市に戻ったのは3月24日だった。何か支援したいと思い向かった彼らだが、現地で今もなお荒れ果てて水に濡れた状態を見て「まだ震災中なんだよ」と話す。
彼らは避難所を10か所ほど回ってみたという。そこでは子供達は比較的元気にしているものの『ほっといてくれ』と言う方もいるのが現状なのだ。ブログには『お笑いを届けて』というコメントももらうが、彼らはそんな状況の中で「芸人としてはできることはゼロよ」と言って考え込んだ。
共演した狩野英孝は宮城県栗原市の実家が被災している。彼も栗原市に戻って支援できないかと思っているが、サンドウィッチマンの話を聞いて迷っていた。だがもし行くならば何を持って行くべきかを彼らに尋ねたのだ。
2人は場所により、人により必要なものが違うので「連絡がつくならば聞いたほうが良い」と答えた。彼らが気仙沼で聞いたところでは風邪が流行っており『熱を冷ますシート、水まくら』などが必要らしい。狩野も実家に電話してみたところ『女性用の下着や薬』が不足しており『酔い止めの薬』も欲しいと言われた。地震が続くので車酔いのような状態になるのだ。
狩野は「現地に行けずとも自分達にできる募金や節電も頑張りたい」とも語った。彼がブログに節電のことを書くと『こんな節電方法がある』と読者も盛り上がるという。例えば「ロウソクだけよりも、周りにアルミホイルを置けば反射して明るい」というアイデアが出てくるのだ。
狩野は友人がいるヘビメタバンドのエピソードを話した。彼らは金髪で長髪なのがトレードマークで髪を振り乱してパフォーマンスするのがポリシーのようなものだった。
しかし「その人たちが坊主頭にしたんですよ!」と狩野は興奮していた。『坊主頭にすればドライヤーで髪を乾かす必要が無いので節電になる』と熱く語ったのである。
サンドウィッチマンはそのエピソードに関しては「それ、節電なの?」と納得しない様子だ。狩野が「何言ってんですか! 俺なんかも髪を乾かすのにどれだけ電気使うと思うんですか!」と声を荒らげて主張したのだ。しかも彼は自分のロン毛をドライヤーで乾かすようにしてアピールしていた。
「さっき、ドライヤー使ってたよね?」とすかさずサンドウィッチマンが突っ込むと「メチャメチャ使ってましたけど…」と狩野の声がトーンダウンしたのである。
「おまえがボウズになれよ!」、「見習えよ! ヘビメタを」と節電を訴えた狩野は逆にサンドウィッチマンの2人から責められてしまったのだ。
そんな狩野英孝は気仙沼出身の手品師、マギー審司らと都内で募金活動を続けており、多くの芸人やタレントが参加してその輪が広がっている。現地に行けずとも支援できることを彼は着実に進めているのだ。節電についても、もっと工夫してくれることだろう。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)