東日本大震災後に世界各国から人的支援や義援金による支援が行われている。例えば台湾で集まった義援金は106億9000万円と発表されているのだ。元台湾総統府顧問である金美齢(きんびれい)さんへもそれに関するメールなどが届いているという。
2009年に台湾から日本に帰化した金美齢さんは評論家やコメンテーターとして活動している。彼女がレギュラー出演するテレビ番組「たかじんのそこまで言って委員会」で今回の震災に関して台湾ではどのように捉えているのかを語った。
前述の台湾で集まった義援金106億9000万円とは、人口が約10倍である米国で集まった義援金が98億9000万円だったことからもその大きさが分かる。もちろん米国でも日本を支援しようという気持ちは厚い。震災時に米国に居た歌手のAIは「震災直後にスーパーマーケットのレジでも募金箱が置かれていた」と証言しているのだ。
金美齢さんのサロンで日本在住7年目という女子留学生が台湾の様子を語った。彼女が先日、震災後に台湾の実家に帰った時に感じたのは「連日、日本の震災状況が報道され、周囲の人々も自国の震災のことのように心配している」ことだという。
そんな金美齢さんへ日本人から次々とメッセージが届いている。「台湾の方々へのお礼が言いたいのだけど、どうやって伝えたらよいのかわからないので金さんに届けたい」という主旨のものだ。
金さんは「台湾の義援金や応援メッセージに対して日本のメディアで取り上げ方が足りない」こともこうしたメッセージが届く一因としながら「そんな時に私を思い浮かべてくれるということは、本当に嬉しく思う」と語った。
このような状態に対して同番組に出演した著名人たちからは「援助を受けた国に対して、大使に感謝状を出すなどすべき」、「政府ができないのならば国会でできないか」といった意見も出された。
以前、湾岸戦争の際に日本は多額の資金援助をしたにもかかわらずクウェートが出した感謝を表す広告に『JAPAN』の文字が無かった。日本人はそれにショックを受けた経験があるのだ。その時のことを教訓として「今回、自分たちが援助してもらった時には、感謝する気持ちを表さないといけない」という声も出ていた。
金さんは「台湾へ感謝するならば、台湾へ旅行して欲しい。私も台湾で日本へ旅行するように伝えます」とそれもお互いの支援であると話した。
台湾だけではない。多くの国から様々な形で支援を受けていることは、その大小にかかわらず日本人は感謝している。その気持ちを何らかの方法で意思表示することも大切だ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)