2000年に大相撲の八百長を告発して話題となった元小結の板井が6年ぶりにテレビ番組に登場した。
元小結の板井圭介氏は当時、日本外国特派員協会での講演で実名を出して力士の八百長があることを認めた。しかし相撲協会はそれを認めずやがて話題も消えていったのだ。
6年前にその板井氏がテレビ「たかじんのそこまで言って委員会」でやはり実名入りで八百長の存在を語ったことがある。だが力士名の部分は『ピー音』で伏せて放送されていた。
そして今、大相撲の八百長が明るみに出て当時の板井氏の発言がすべて現実のものと証明されたのだ。
2月27日の同番組にその板井氏が出演し、改めて大相撲の八百長を語った。
板井氏は八百長告発後、心労からか病の日々を過ごし現在はすっかり痩せて力士時代の面影は無かった。
「昔の相撲仲間も気が付かない」と言う板井氏はそんな姿を見せたくないという理由で、顔部分を隠す条件で出演を受けたのである。
彼とパネリストとのやりとりはおよそ20分におよび、その主旨は次のようなものだった。
アスリートの田中雅美が「大相撲には格差や引退後の生活への不安などもあり“人情相撲”が存在するのは仕方が無いのか」と指摘した。
板井氏は「入門した時から八百長があるから、半分ほどはそれが当たり前と思っている感じ」とそれを認めると「人情相撲に罪の意識は無い」とも話した。
ただし彼は厳しい親方のところには八百長は存在しないと付け加え「親方次第だ」と語気を強めたのである。
板井氏によると「貴乃花や魁傑は(八百長を)やらない」と名前を出して、さらに「貴乃花派はみんなガチンコ」と証言した。
特に貴闘力はガチンコ相撲で印象に残っており「(野球賭博関連で)追放したのは痛手だった」と惜しむと、彼は「俺と貴闘力さんが監察をやったら力士は震え上がりますよ」とも話した。
名勝負とされる1995年の『若貴対決』について問われると「全然八百長じゃない、若貴は八百長はやらない」と断言した。
2月にやはり力士名を出して八百長の存在を明かしたロシア出身の元幕内若ノ鵬も「貴乃花は八百長はやらない人、あの人はサムライ」と話していたことから、貴乃花がいかに信頼されているかがうかがえる。
実名は出さずに身振りでパネリストから問われて板井氏が答えたところでは『ロボットのように体を叩く人』(高見盛と思われる)についても「ガチンコですね」と証言していた。
今回もさすがに八百長を認める発言は力士名が伏せられていたが、八百長をしていないと明かされた力士の数もその程度で決して多くはなかった。
そんな相撲界について板井氏は「今回はいいキッカケとなった。これから生まれ変わると思う」と希望を持っているのだ。彼はそのためには構造的な改革や誠実な外部からの理事も必要ではないかと語っていた。
彼の今回の話で救われたのが「闇社会との関係は一切無い」と力強く答えていたことだ。相撲界内部での八百長の存在があったとしても、外部との賭博問題へは発展しないことを願いたい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)