第83回アカデミー賞授賞式で、若者層のTV視聴離れを取り戻そうと司会に起用されたのが、女優のアン・ハサウェイ(28)と俳優のジェームズ・フランコ(32)だった。しかし、二人の司会による授賞式は「痛々しい」などと批評家達に酷評されたばかりか、視聴率も昨年に比べ10パーセントダウンという最悪の結果になった。
男女の若手俳優二人組を起用し、そのフレッシュな司会で授賞式を活性化する…はずだったのに、どうしたことだろう。アカデミー史上最年少のホストとなったアンは、ドレスを七変化し歌って踊って大活躍、甘いマスクで女性ファンの心をわしづかみにするはずのジェームズは、女装まで披露したのに、何故か批評家達は揃って「渋い顔」である。
翌日の「ニューヨーク・タイムズ」紙は「若い視聴者層に迎合しようとするその試みは、まったくもって痛々しかった」とバッサリ。「ハリウッド・リポーター」誌も「フランコは“俺はここにはクールすぎる”と思っていたか、照明がまぶしすぎたかその半々で、斜めに構えて微笑む様子は、高慢にさえ見えた」とした上で「ハサウェイはそれを助けようと頑張ったが、二人には昨年の司会のアレック・ボールドウィンとスティーヴ・マーティンのペアが持っていたようなケミストリーが、全く見られなかった」とこき下ろす。
他の主要各紙も同じような批評内容で、アンは少なくとも頑張ろうとしたが、ジェームズが今一伸びず、まるで「CMの合間に学期末のペーパーを書いているかのようだった(映画サイト「Moviephone」)」と評される有様である。コロンビア大学での修士号取得に続き、イェール大学の博士号取得を目指していると言われる「お勉強大好き」のジェームズであるから、合間にペーパーを書いていたというのもあながち外れではないのかも!? ネット上でも彼が司会時に、「眠かった」のか、「酔っていた」のか、「何かのクスリでハイだった」のか、と勝手な憶測が飛んでいる。
さらに今回のオスカー、視聴率まで良くなかったことが明らかに。ニールセン調べによると、米国内でのABCによるTV中継の視聴者数は3760万人と、昨年に比べ約10%のダウン(昨年の視聴者数は4170万人)。これには司会の二人だけが悪いのではなく、例年に比べ賞レースに波乱が少なく、受賞者や作品が予測のつきやすいものだったために、視聴者数が減ったという分析なのだが…。
一方、式のフィナーレには受賞者に交じって一人、両手を上げ「ガッツポーズ」をキメていたアンは、「アンタがオスカー受賞したのか?」「視聴率を見ろ」と早速メディアのツッコミを入れられている。オスカーのアフターパーティでも、イケイケに盛り上がったアンが、借り物のオスカー像を手に踊り狂う様子がパパラッチに激写されていて、その“勘違い”ぶりがちょっぴり痛々しい。しかし、批評家にこき下ろされても、視聴率がどんなに悪くても、少なくともアン・ハサウェイはオスカー初司会を楽しんだ、ということで良いではないか…。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)