M-1グランプリ2010で準優勝したスリムクラブの人気が急上昇している。そんな彼らもM-1以前はずいぶん苦労したようだ。真栄田賢(まえだけん)がそんな売れない頃のエピソードを明かした。
昨年12月26日に行われたM-1でスリムクラブを知った方も少なくないのではないだろうか? 彼らはお笑い番組「エンタの神様」で怪物フランチェンのコントで登場していたことがある。それなりに人気があり彼らにとっては小ブレイクにあたる時期だった。
その頃のエピソードを2月14日放送された「しゃべくり007」の中で真栄田賢(向かって左に立つハスキーボイスの方)が語ったのだが、彼は当時を思い出して涙を浮かべていた。
「エンタの神様」に出演が決まったことを真栄田は相方の内間政成(うちままさなり)に話した。その頃、全盛は過ぎていたがやはり「エンタの神様」に出るということは人気お笑い芸人への切符を手にしたようなものだ。
内間は「ヤッホーーーイッ!」と歓声を上げて喜んだのである。しかし実はスリムクラブとしてではなく真栄田によるキャラクター「フランチェン」ネタで出演するので内間は出ないのだ。
言いづらそうに真栄田がそのことを内間に告げると、彼はうつむいて涙を流したのである。
だが内間の口から出た言葉は意外なものだった。「メチャうれしいです!」と彼は言ったのだ。さらに涙を流しながら「真栄田さんのこと大好きだから。ホントに面白いと思ってるから。メチャうれしいです!」と内間は続けた。
結局「エンタの神様」にはフランチェンに扮した真栄田と陰の博士の声で内間が登場した。当時の出演芸人の中でもかなり人気のあるネタだった。だが残念ながら番組が終了してからは、彼らを見かけることも減っていったのである。
しかしそれからしばらくして、今度はM-1をキッカケにスリムクラブとして大ブレイクすることになったのだ。
彼らには暗黙の決まりがあるそうだ。真栄田は実は『ビビリ』で観客が笑わないとひどくショックを受けるタイプである。
そこで彼は内間に「お前だけは笑っていてくれ」と頼んでおり、それで救われているのだった。「そういうシステム」でスリムクラブは成り立つと彼らは話した。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)