writer : techinsight

NECなど インターネット上の情報を分析して信頼性判断を支援する技術を開発

ネットで検索すればあらゆる事柄が分かるとはいえ、広大なインターネット上に蓄積される情報には、誤りもあれば、虚偽情報や偏向情報もある。
どの情報を信頼するかは自己責任が原則であるが、信頼するに足る「お墨付き」が欲しいところである。
今般、NEC、東北大学、奈良先端科学技術大学院大学および横浜国立大学は、インターネット上の大量のテキスト情報を分析・整理し、ある意見について、その判断の裏付けや参考となるような情報を複数の観点から表示することで、情報信頼性の判断を支援する技術を共同開発した。

開発された技術は、ユーザーが気になる意見を入力すると、その意見に関して、WEB上の他の人々の賛否、根拠を論じた意見など、論理的に関係のある情報を1億以上のWEBページから分析する。

そして、重要な意見を抽出して、言論マップ化技術と組み合わせ、重要な意見間の対立点をどのように理解したら良いか整理して、読み解き方を解説した要約レポートを提示する。

ユーザーはこれらを基に、一つの意見に偏らない広い観点から情報を得ることができるため、ネット上に溢れた情報の信頼性判断に役立てることができる。

本技術を応用することで、例えば、検索結果や商品の説明ページ、体験談などで見つけた気になる意見に対して、関連する他の意見を容易に調べることが可能となる。

また企業においても、商品のアンケートやブログなど個人の意見を分析・整理できるようになり、マーケティングや新しい情報提供サービスへの応用が期待できる。

商品の評判一つとっても、マーケティングサイトのクチコミやレビュー、個人ブログでの評価など、さまざまなものがあるが、その商品に関心があるユーザーが欲しい情報はただ一つ、その商品が「買い」であるかどうかである。

ネット普及前には、マスメディアが宣伝するものを流行に乗って買っていたものだが、多くの評価を参照しながら購入を決めるのが常識となっている現在、逆に情報の洪水に押し流されて、判断のタイミングがなかなか掴めないのが実情だ。

本技術が実用化されれば、クチコミや個人ブログの評判を総合したレビューサイトを立ち上げたり、世論調査のための定点設置に役立てたりと、さまざまな分野での応用が期待される。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)