映画「おくりびと」が第81回アカデミー賞外国語映画賞に輝き話題となったことは記憶に新しい。その脚本を手がけたのがラジオ、テレビ界で活躍する小山薫堂である。彼はラジオ番組で「タクシーに乗るとチップを渡すことにしている」と明かしたが、それには意味があると言うのだ。
小山薫堂はあの「料理の鉄人」の構成作家として知られるが、それ以降は『うどん熊奴』(“こやまくんどう”を逆さに読んだもの)を名乗ることも多い。彼は他にも「ポンキッキーズ」、「パパパパパフィー」、「進ぬ!電波少年」など往年の人気番組に数多く関わっているのだ。
映画「おくりびと」では、初めて映画の脚本に挑戦しながらいきなりアカデミー賞を受賞するという結果にもなった。
その小山薫堂が20日に放送されたラジオ「Keep on Smiling」に出演してパーソナリティの山寺宏一とトークを繰り広げた。
山寺宏一が同番組の主旨は「笑顔を広げること」だと言ったことに対して、小山薫堂が語った内容が次のようなものだった。
彼はタクシーに乗るときにチップを渡すようにしているという。これは彼が敬愛する作家、故池波正太郎の影響によるものなのだ。
池波正太郎はエッセイでこう書いているという。『タクシーに乗った時、チップを100円でも200円でもいいので渡すことにしている。どんなに無愛想な運転手もチップを受け取る時は嬉しそうな笑顔を見せるものだ。その流れで彼はきっと次の乗客に対しても笑顔を見せることだろう。すると乗客も良い気分になりタクシーを降りて仕事先で笑顔を見せる…。そうやって笑顔が広がることを願ってチップを渡すのだ』
小山薫堂も池波正太郎に倣ってチップを渡そうと心がけているのだが「貧乏性なので時々、渡そうか渡すまいか迷うこともある」と明かした。
前述の山寺宏一の話に戻ると「Keep on Smiling」が目指すのは「笑顔の連鎖」である。池波正太郎からの影響で小山薫堂が行動を起こした「タクシーのチップ」はまさにそれだ。一般にこの行動を広げるにはチップを渡すことはハードルが高いかもしれないが「あいさつ」などでそれを広げることはできそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)