青森県弘前市に位置する国立、弘前大学が広告を漫画雑誌に掲載したことが話題となっている。今年の志願状況などについて、弘前大学関係者がラジオ番組のインタビューに答えた。
弘前大は昨年3月に漫画雑誌(男性誌3誌と女性誌3誌)に1回の広告掲載を試みた。「漫学のススメ」をテーマにしたその広告では「消費者のためになった広告コンクール」(日本アドバタイザーズ協会主催)雑誌広告部門で銀賞を受賞しているのだ。
手ごたえを感じたことで、弘前大は第2弾として昨年末から「週刊少年マガジン」に限定して5回シリーズで広告を掲載した。
昨年12月1日発売号に載せた1回目は表紙裏1枚を使って人気漫画「ヤンキー君とメガネちゃん」の主人公男女と『弘前大×ヤンキー君とメガネちゃん』、『弘前だから学べる!君のパイオニア精神を目覚めさせろ!!』のコピーをあしらったもので漫画誌と見事に同化した広告となった。
以降も弘大北日本新エネルギー研究所長、神本正行教授が弘大の魅力を紹介するなどの内容で、今年1月までに5回にわたり広告を掲載した。
2月25日放送のラジオ「クロノス・スズキ BREAKFAST NEWS」では弘前大の関係者にインタビューした内容を紹介した。
大学側は「漫画誌への広告が影響しているかの検証はこれから」という前提で、昨年に比べて今年の志願率がアップしたと言う。
2月2日に締め切った2011年度入学者選抜2次試験の最終志願状況は『5.1倍』となり昨年の4.5倍から大幅にアップ、人数にしておよそ700人増えた。
同大の志願率が2003年度入試の5.2倍以来、8年ぶりに5倍を超えたことになる。
広告を担当する総務課は当初「大学らしくない」との批判を想定したが、大学上層部もチャレンジ精神を評価して承諾したという。
不況とされる中で国公立大学も経営に苦心する状況だが、こうした新しいアイデアで改善努力をする姿勢は受験生も見ているはずだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)