イタすぎるセレブ達

writer : tinsight-yokote2

【イタすぎるセレブ達・番外編】自身の辛い過去の経験から…。女優ハル・ベリーDV被害者救済組織にて活動中。

家庭内暴力(以下DV)に苦しむと、何十年経ってもその記憶を消せない、傷が癒えない、その先の自分の人生にも暗い影を落とすことがある。これがDV被害の辛さ、恐ろしさだ。女優ハル・ベリー(44)は今、DV被害者救済活動に尽力しているが、過去に自身も辛い経験を持ち、現在は子育て中の母でもある彼女の思いは常に真剣だ。

ハルはアフリカン・アメリカンの父、そして英国人の母(白人)との間に生まれた。4歳で両親は離婚し母子家庭となるが、それまでハルは、酒乱の父が母に暴力を振るう姿をイヤというほど見させられて来た。

この度、CNNの朝の情報番組「American Morning」の “Big Stars Big Giving” のコーナーで、ハルはその頃の辛い経験をこのように話した。

「母への暴力暴言はひどかったわ。私が心配そうな顔で見ているのに止めてくれないの。ある時は、何かが気に食わないと言って飼っていた犬を壁に叩きつけた。すると犬は舌を半分噛み切って大出血よ。今まで見たこともなかった惨事で、私は震えが止まらなかったわ。」

その頃の経験を生かし、ハルは今、ロサンジェルスにあるDV被害者救済組織「Jenesse Center」の支援者として寄付を続ける他、傷ついている女性や子供たちとの対話に努めている。時には夜間のシフトを担当することもあるそうだ。

「DVは家庭を壊すばかりではない、人の心も壊して行くわ。暴力暴言を浴びている側は絶望感に襲われ、次第に自分が生きている意味が分からなくなり、自尊心を失ってしまうの。そういう人たちをとにかく勇気づけてあげたいわ。」

「皆さん、それまであまりにも長いこと我慢と頑張りを続けて来た人ばかり。せっかく築き上げてきたものを自分がここで壊してはならない、助けを求めて逃げるのは恥ずかしく後ろめたい、そんな風に悩んでしまい、心身の限界に達してついに逃げ出す。悲しいけれどこれが現状よ。」

また、無数のDV被害者と対話すると、驚くべきある共通点が見いだせるとハルは言う。

「暴力を振るう男性は、その後共通して “俺をここまで怒らせるようなことをした(言った)のはお前だ。お前が悪い” と言って、自分を正当化するのよ。おまけに、“騒ぐほどのことじゃない。こんなことはどこの家庭でも起きている。俺はノーマルだ” ってね。」

DV家庭で育てられ男の子は、“女、子供が気に食わない時は力で威圧する” という父親の姿勢を、知らず知らずのうちに受け継ぎ、自分も同じようにDV加害者になるケースが本当に多いという。

今はきちんと相談すれば、専門機関が被害者を保護し、守ってくれる時代である。悩んでいる人にハルは、「早く周囲にSOSを出さなければ、心身共に自分がダメになるわ。暴力暴言が溢れる家庭で育つ子供たちは本当にかわいそう。その将来を考えてあげて」と力強く呼びかけた。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)