来る1月10日は成人の日である。そして、成人の日とくれば、来賓祝辞などを通して、政治や行政の現状に触れる日でもある。
そんな新成人たちの気持ちはどうなのか、マクロミルが、インターネットリサーチにより500名の有効回答から得た調査結果を発表した。
今年成人式を迎える新成人に日本の将来についてどう感じているか尋ねたところ、「安心(非常に安心+やや安心)」という回答が10%、「不安(非常に不安+やや不安)」という回答が90%となった。就職に関しての不安が大きく、今後就職を控えている人の82%が‘就職’に対して「不安を感じている」と回答している。
そんな日本の将来に対し、新成人に自身は具体的にどうしてゆきたいかという質問については、「選挙に参加して政治を変えたい」と選挙権の行使を挙げる声のほか、「仕事を通じて日本を変えたい」「NPO活動を通じて、社会貢献して現状を変えたい」など様々なコメントが寄せられた。
希望する職業については、約2割が「公務員」と回答し、世相を反映した安定志向がうかがえる。
選挙権の行使や仕事への意欲はどの時代でも同じであるが、NPO活動やボランティアなど「第3の社会参加」への関心もあるということのようだ。
また、約6割が、「将来の夢がある」と回答しており、不況のさなかであっても、自分の夢を追い求めたい意欲がうかがえる。
周囲とのコミュニケーションについて尋ねたところ、「人の話を聞いて理解すること」を68%の人が「得意(得意+どちらかといえば得意)」と回答する一方で、「自分をアピールすること」「目立つこと」は、約半数が「苦手(苦手+どちらかといえば苦手)」と回答している。
また、「空気を読むこと」は重要か尋ねると「そう思う(ややそう思う+そう思う)」と回答した人が89%となっており、周囲と歩調を合わせようとする人が多いようである。
これは、新成人のみならず、古くからの日本社会における世渡りの基本である、「その場の空気」と「阿吽の呼吸」が、着実に新成人にも受け継がれているということであろう。
消費に関する考え方については、「クーポン券やポイントカードを活用して賢く買い物をしたい」と考える人は92%、「衝動買いよりも、比較検討をして買い物をすることが多い」という回答が74%と、男女ともに賢く慎重に買い物をしている様子がうかがえる。
支払いに関しては、「飲食代は年齢や性別に関係なく割り勘がよい」と考える人が59%、「おごられるのは気を遣うので好きではない」は55%と‘割り勘志向’が過半数を占めていた。
飲食代の割り勘は、同世代の同性同士であればすでに基本となっているが、およそ男女交際においては、おごられたい女性もいれば、そうでない女性もいて、間合いをはかるのは、なかなか難しいかもしれない。
成人式は必要かどうかという質問に対しては、約6割が必要だと回答している。
毎年、「荒れる成人式」の模様が報道されるが、あくまでも一部の乱暴者のしわざであり、多くの新成人は自覚を持って式に臨んでいるということであろう。
今年の新成人の前途が大きく開けるよう願ってやまないところである。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)