歌手の飯田圭織(29)がテレビ番組でモーニング娘。在籍中にメンバー間で嫌がらせをするなど確執があったことを明かした。すると共演していた辻希美がその話に涙で目を潤ませたのだ。そして事態は飯田と辻の間にたまった不満が爆発する意外な展開となったのである。
バブル崩壊後の日本で1999年に「LOVEマシーン」で大ブレイクして社会現象ともなったモーニング娘。だが結成時はオーディションの落選者によるユニットだった。
1997年にオーディション番組『ASAYAN』(テレビ東京)で行われた「シャ乱Qロックヴォーカリストオーディション」で落選したメンバーからつんく♂が中澤裕子・石黒彩・飯田圭織・安倍なつみ・福田明日香の5人を選び「モーニング娘。」を結成したのだ。
当初5人の中でメインボーカルを取るのが誰かという話となり、飯田圭織が最有力とされた。しかしメインボーカルとして発表されたのは安倍なつみだったのである。
飯田と安倍には運命的とも思えるほど共通点が多い。同じ1981年生まれで誕生日も8月8日と10日というわずかに2日違い。さらに北海道室蘭市の同じ町の同じ産院で生まれているのだ。
モーニング娘。となったものの、デビューも決まらず先が見えない時期から2人は一緒に暮らして活動した。そして1998年1月に「モーニングコーヒー」でデビューして大ブレイクへの道を進みだしたのである。
11月30日に放送された「魔女たちの22時」ではその飯田圭織が登場して当時、安倍なつみに嫌がらせをして当時のモーニング娘。の結束に亀裂を入れたことを明かした。
飯田は親友の安倍にメインボーカルを取られたことについて「大ショックでした」と正直な気持ちを話した。飯田と安倍の確執はメンバー間にも影響をおよぼし、飯田が楽屋に入り「おはよー!」と明るくあいさつしても「全員が『シーン』としてしまうような状態」だったという。
同番組のレギュラーメンバーである辻希美は当時の様子を尋ねられると「カオリン(飯田)と彼女(安倍)の険悪なのは分かってたけど…」と証言した。辻はその頃まだモー娘。に入ったばかりであり、12歳から13歳で先輩達の確執を目の当たりにしたことになる。辻がその時の心境を「逆に『イイ子にしなくては』とは思わなかった」と明かすと、それを聞いた飯田圭織の表情が険しくなった。
飯田は「だって、イイ子じゃなかったもん!」と辻へも不満があったことを語りだしたのである。飯田は『新メンバー辻希美の教育係』だったのだ。しかし辻は4期生として入ってきたが1期生の飯田たちに対してあいさつもせずにいきなり「ねえダンスして!」と言う始末だった。そこから礼儀を叩き込むのだから飯田も大変だったのだろう。
辻も当時を思い出して苦笑しながら「敬語もモー娘。で教えてもらいました」と明かした。それを聞いていた進行のTOKIO山口達也が共感してTOKIOのメンバーでも同じだったと言う。「うちの(国分)太一が入ってきた時に初めてリーダー(城島茂)に会って開口一番『ねえ? いくつ?』と言った」と国分太一の過去を暴露してしまった。
飯田はさらに「お菓子を食べちゃダメと言うだけで泣くし…」と辻を教育する苦労話を続ける。辻はまさかの暴露にどう反応していいか分からずに「自分がおかあさんになって、今はメンバーに感謝している」と目を涙で潤ませて語った。そして意を決したかのように「正直、モーニング娘。時代は『うるっさいな!』と思ってました」と本音を言ったのだ。
その時の飯田圭織の顔は言葉では表せない複雑なものだった。あえて表現すると『呆れ、怒り、空しい』そんな感情を表していたのだ。
その後、飯田圭織が安倍なつみに対して「あの時は素直になれずごめんなさい。あなたと出会えたことを心から感謝しています…」と懺悔したビデオを撮り、事務所を通して安倍なつみに見てもらった。じっとビデオを見ていた安倍からは「私もカオリンが『ごめんね』と言うのと同じくらいごめんねと言わないといけない。…これからもいい関係でいたいのでよろしくお願いします」とメッセージが返された。
飯田圭織と安倍なつみの間に長年あったモヤモヤはこれで晴れたようだ。そして、思わず露呈した飯田と辻希美との関係はスッキリとはしないが、お互いに本音を語ったことで一歩前進したのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)