かつてピン芸人として大ブレイクした、ヒロシがテレビ「笑っていいとも!」に出演した。同番組へは実に6年ぶりの登場で、本番前の楽屋ではかなり緊張していたようだ。
すでに放送を終了したが「笑いの金メダル」、「エンタの神様」など現在のお笑いブームの火付け役ともいえる番組からブレイクしたのがヒロシだった。
ホストをやっていたことからスーツに金髪というスタイルでズボンのポケットに手を突っ込み、うつむきながら「ヒロシです…」と自虐ネタをつぶやくのがパターンだ。
そのネタの内容がツボを押えており大ウケしたことから話題となってブレイクした。以降2004年から2007年頃まではドラマや映画へも出演するなど人気はうなぎ上りとなったのである。
しかし、2008年に入ると人気に翳りが見え始めてお笑い番組への出演が減っていく。当時、同時期にブレイクしたカンニング竹山がヒロシの状態を「あいつは笑い以外で頑張る」と口にしており、ヒロシの心境を代弁した内容かと思われる。
その後ほとんど姿を見せなかったヒロシだったが、2009年11月14日に古巣「エンタの神様」に登場して久々の自虐ネタで笑いを取り復活かと話題になった。しかしその「エンタの神様」も2010年3月20日で終了して彼の出演するチャンスも減ってしまうのだ。
そのヒロシが2010年の今、11月30日放送の「笑っていいとも!」のコーナー『お笑いニートを救え!ギャグマーケット』に登場したのだ。
進行役の、さまぁ~ず大竹がネタのタイトルを「ヒロシ2010」と紹介するとレギュラー陣も「あの、ヒロシなの?」と騒然としたほどで、同番組へは実に6年ぶりの登場なのである。
大竹のコールで登場したヒロシはあいかわらずのスーツに金髪スタイルだったが、頬は少しふっくらとして太ったように思えた。
彼は「ヒロシです…」から始まるパターンでネタを次々と披露していった。
「テレビに出ていた時にくらべて…アパートの管理人の口調が荒くなった気がします…」と現在はテレビにほとんど出ない境遇をネタにすると、お得意の自虐ネタに観客以上に大ウケしたのがレギュラー陣の芸人やタレントだったのだ。
ヒロシも一発目から反応が良かったのでホッとしたようだ。従来のリズムを崩すことなく「ヒロシです…」とネタを続けた。
「視力はイイのに未来が見えません!」と短いネタでウケれば『ヒロシさん一生応援します!』、『ヒロシさん一生LOVEです!』とファンレターの内容を紹介して「3年前までたくさん届いていたファンレターに必ず書いてあった言葉です…。みんな死んだんでしょうか?」と落として爆笑を誘った。
そしてラストのネタ「ヒロシです…とうとう…『消えそうなお笑いタレントランキング』からも消えましたっ」で聞くものをツボにはめたのである。
こうしてヒロシはわずか1分程度のネタで会場中を爆笑させて幕に消えたのだった。
特に芸人仲間のさまぁ~ずが彼のネタに感動していた。大竹一樹は「前より、良くなったよ!」と率直にコメントすれば三村マサカズは「自虐言わせたらホントいいね」とネタの内容を絶賛していた。
ヒロシは久々のバラエティ番組に相当緊張していたようだ。レギュラーのはいだしょうこがそんなヒロシの楽屋裏での様子を「すごい緊張していて『できるかな?』と言っていたので、可哀相だった」と話していた。
「エンタの神様」や「爆笑レッドカーペット」といったお笑い番組が無くなり、日の目を見ない芸人たちが芸を披露するチャンスが減って行く中で『お笑いニートを救え!ギャグマーケット』は貴重な企画といえるだろう。
ヒロシがそこにチャレンジしたということは、まだまだこれから再起を目指していることの証でもある。今回の観客と何より芸人のウケを見る限りでは従来のネタでも通用すると思われる。年末から正月、そしてR-1ぐらんぷりと露出するチャンスが増える時期だけに彼の活躍に期待したい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)