「バイク王」のCMに11月12日からテリー伊藤(演出家、タレント)が登場している。車、バイク好きとして知られるテリー伊藤は最近、念願の大型バイク免許を取得して憧れのハーレーを乗り回しているのだ。バイク王は芸能人ライダーの中でインパクトのあるテリーの起用に踏み切ったのだろう。だが、実はテリー伊藤とバイク王CMには見た目では伝わらない隠れた意味があったのだ。
オートバイ買取専門店「バイク王」のCMといえば、お笑いコンビ、雨上がり決死隊とエロかしこいタレント優木まおみとの共演が定番だった。しかし、11月よりイメージを一新、毒舌で切れ者として知られるテリー伊藤を起用したのである。
CMロケ地にはアメリカの大地に広がる荒野が選ばれた。ライダーの憧れでもあるルート66沿いにドライレイクやバグダッドカフェなどの名所を取り入れて雰囲気を盛り上げる。
大型バイク、愛車ハーレーと旅をするテリー伊藤が広大な景色を眺めながら「バイクを高く買うっていうけどホント?」とバイク王に電話すると、「高くなけりゃみんな、こんなにいっぱい売らないでしょ」と雨上がり決死隊が答えるという内容だ。
ライダーの憧れの地をやはりライダーが夢に見るハーレーに乗りながらも、なぜかバイクを手離す気持ちになる男。そんなストーリーを描き出したドラマティックなCMである。
だが、実はこのCMにはもう1つ隠れた意味があるのだ。テリー伊藤は初監督映画『10億円稼ぐ』を制作しており、11月20日から公開されている。
同映画の内容はテリー伊藤がいかにしてお金を稼ぐかに挑戦するというものだ。11月25日に放送された「ダウンタウンDX」でテリーはその映画撮影に関して詳細を語っている。
2年前から撮影を開始した映画だが、初めにテーマの設定が必要だった。そのテーマを『金を稼ごう』に決定して、どうやって稼ぐかを研究したところ「一番儲かっているのがキティちゃんグッズ」だと分かり、キャラクターを作ることになったのだ。
テリーは「キャラクターづくりのため愛車のバイクやお気に入りのジャケットを売り払い軍資金300万を捻出した」と明かした。
その経緯は映画でも描かれているのだが、彼は開発したキャラクター『ナニティー』を米国ラスベガスで開催された世界キャラクターショーで世界のバイヤーに売り込んだのである。
そしてテリーの話では現在のところ「世界11か国で扱ってもらえることになった」ということだ。
このようにバイク王のCMは映画『10億円稼ぐ』でテリー伊藤が考え抜いた末に『愛車のバイクを売る決断をする』話とシンクロしているのだ。メディアでもその点には触れられておらず「CMと映画の宣伝を兼ねて」という目的意識は少ないようだ。
テリー伊藤としてはバイクとの思い出をCM撮影で再現してみたかっただけなのだろう。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)