今年8月5日に、チリ北部コピアポ近郊の鉱山で起きた落盤事故。先月、奇跡的にも33人の作業員が全員救出されたが、2か月を超す彼らの命がけの闘いの日々が、ブラッド・ピットによってドキュメンタリー映画となる可能性が出て来た。

世界中の人々が固唾を飲んで見守った、作業員たちのあのドラマのような救出劇。家族と抱き合った瞬間、涙で崩れてしまう作業員もいれば、プロレスラーのような演出で興奮気味な作業員も。また夫が閉じ込められている間に赤ちゃんを産み、「エスペランザ（希望）ちゃん」と名付けた妻もいる。感動のシーンは、こうして世界に向けて続々と中継で流された。

“感動の救出ドラマ” を扱った映画というのは、どれを見てもやはり素晴らしい。世の中で実際に起きた大事故の中で、恐怖、忍耐、焦燥、限界、奇跡、そしてハッピーエンドと全ての要素を含んでいるものは滅多にない。映画製作者にとって今回のチリ鉱山落盤事故は、10年に一度の稀有の題材だそうだ。

「Plan B」社を率いるブラピが、早速ここに乗り出した。現在、そのチリ炭鉱の責任者や関係各所と交渉を進めており、OKが得られれれば、撮影に協力してくれる作業員や家族らとの面接に入るようだ。

それにしても、彼らが過ごした地下700mのシェルターは温度が35度近くあり、湿度は80％超というからスチーム・サウナの世界である。当初は全員救出まで4ヶ月かかると発表され、それを知った時の作業員や家族の絶望感は想像に難くない。パニックを起こさず、無事救出を信じて待った勇敢なる男たちのドラマ。これが映画化されれば、すさまじい興行成績を上げるのではないだろうか。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）