世の中には悪質な企業も存在し、サービス残業を正当化するためにタイムカードを廃止して、退社時刻の手書き申告捺印制に切り替えたり、社員を片っ端から管理職にしてしまったりするケースがあるが、こうした行為への対処のために2010年4月に改正労働基準法が施行された。改正労働基準法は、「使い方」によっては労働者に有利に働く場合もあるので、企業の管理職は適正な労働時間を厳守するよう、業務手順や人員配置の見直しを行うとともに、定時退社を励行させる必要がある。今般、勤怠管理システムが持つ打刻・勤務予定時間をパソコンのログイン・ログオフと連動させ、“パソコン利用の制限”“終業間際の定時退社促進通知”“部門単位の残業一元管理”を可能にするソフトウェア「IDリンク・マネージャー 勤怠連携版」が富士通エフサスから提供された。
同システムでは、ユーザー既存の勤怠管理システムと連携することにより、出勤打刻後にパソコン利用を許可、退勤打刻後はパソコンを強制ログオフし、パソコン業務によるサービス残業を抑止できる。
申請した勤務時間を超えてパソコンを使った場合、警告画面のポップアップ表示を行う。
残業申請を行わずに業務を継続すると強制ログオフ・シャットダウンが実行され、パソコンの利用を抑止する。
残業申請を行うことにより意識改善・作業効率化を促し、生産性の向上に貢献する。
なお、上司に残業申請を行うことでパソコン利用時間を延長できる。
管理監督者は利用者ごとの出退勤時間、パソコンログイン/ログオフ時間の一括参照・レポート出力が行えるため、残業管理の精度が向上する。
「IDリンク・マネージャー 勤怠連携版」は出退勤打刻機能を有しており、勤怠管理システムやタイムレコーダーを持っていない企業も利用できる。
サービス残業は、雇用者の非ばかりが強調されるが、現実には、部門別の限られた残業予算原資をなるべく多く勝ち取ろうとして、勤務時間中に「怠」して、定時以降に「勤」しようとする社員が原因の場合もある。
雇用者/被雇用者の双方が、残業に対する意識を改め、法令・規則の遵守と適切な資源配分を行うために有効なソリューションと言えるだろう。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)