最近、10代の若者を中心にちょっとした「名刺ブーム」が起きているという。記者も高校生のバンドマンから「うちのバンドのHPを見てほしい」と名刺を渡された事が何度かある。また、宣伝代わりに名刺サイズのチラシを配っているという学生もいた。電子書籍化が進み、携帯電話は赤外線で互いのアドレスを交換できるこの時代に、20世紀の遺産とも言うべき名刺が再び注目されているのは、いったいなぜか。
最近は中高生を中心に、mixiやモバゲーなどのSNSサイトに加え、前略プロフ、リアル、Twitterなど、ほとんどの人が自分自身の「アカウント」を持ち、自分固有の表現の場を所有している学生が多い。メールやチャットなどのダイレクトなやり取りではなく日頃の何気ないつぶやきや写真を自身のページに投稿し、それを友人が見てコメントする…といったコミュニケーションが10代のネットコミュニケーションの主流だ。
実は、そこで役立つのが名刺だ。携帯電話の番号やアドレスならば手打ちや赤外線通信などで相手に伝えることができるが、こうしたサイトのアドレスは簡単に伝えられない。そこで、QRカードを印刷した名刺を作成し交換すれば、面倒な操作や時間を要することなく、簡単に情報交換することができる。
10代に限らず、20代や30代の社会人でも、自身の仕事の名刺とは別に、オフ用の名刺を自作する人も多いようだ。先日、都内某所で行われたTwitterのオフ会では、参加者のほとんどが自身のTwitterネームを明記した自前の名刺を持っていたという。やはり、「自分の日記や写真などを見てもらいたい」「相手に自分のことを知ってほしい」といった思いを持つ人たちは、いつでもどこででも自身のアカウントを教えられるように、名刺を持ち歩くようにしているようだ。
そうした自前名刺が広まり、皆が交換し合うようになると、次は自分の名刺が埋もれないように、印象に残る1枚を作る必要が出る。そこで当編集部が注目したのは、株式会社フォレカの提供する「フォレカ」だ。これはインターネット上から発注できる名刺製作サイトで、企業に限らず個人でも気軽に利用できる。多数のデザインの中から気に入ったデザインを選び、氏名など必要な情報や、ペットの写真などのデータも入れて簡単に作れるのが嬉しい。
オンデマンド印刷など、家庭でプリントするのではなく印刷業者に製作を委託するので、コストが高くつくのではというイメージを持つ人も多いだろう。しかし、「フォレカ」は初回の製作費が無料となり、2回目以降も格安で名刺を作成できるので、高校生でも気軽に利用できる。例えば部活やサークルの名刺を作って、新入生に配ってホームページを見てもらい、勧誘するという使い方もアリだろう。
幼少期にカード集めやカードバトルに興じたという人も多いだろう。目に見える実体として、胸ポケットに入るサイズの名刺は、大人になっても「交換するのが好き」「たくさん持ってると交友関係が広がったのがわかる」として、コミュニケーションを円滑にし、日常生活に彩りを添えてくれる。
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)