発端は女が『自分の赤ちゃんが誘拐された』と警察に通報したことだった。その後の調査で赤ちゃんは遺体で放置されているのを発見、しかも18歳と公表していた女の年齢も17歳と判明した。
女からの最初の報告では、10月4日、生後6週目の自分の赤ちゃんが誘拐されたというものだった。出産後、まだ病院にいた時のこと、トイレに立つ女に「赤ちゃんを抱いててあげる」と言った見知らぬ女が誘拐しタクシーに乗って逃げたという事件のはずだった。警察の捜索により、翌日、女の自宅近くでトタンに覆われて亡くなっている赤ちゃんが発見された。女も赤ちゃんの祖母も絶望した。
しかし、そこで彼女の嘘が露見した。女が赤ちゃんを抱いて歩いているのを目撃した人たちがいたからだ。
そのうちの1人ピンキーさんによると、誘拐された日の午後、ピンキーさんとその友達が家の外で立ち話をしていると、赤ちゃんを抱いて歩いている女を見たそうだ。女は愛想よく手を振って通り過ぎていったが、数分後、1人で戻ってきた。「赤ちゃんは親戚か赤ちゃんの父親に預けたんだろう」と思っていたピンキーさんだったが、女が周りや特に背後を気にして、逃げるようにピンキーさんたちの前を通り過ぎて行ったので不審に思い赤ちゃんを捜しに行ったそうだ。
ピンキーさんたちは『裏手に沼があって数年前にある女が自分の双子の子供を投げ入れて殺した事件があったから、そこへ行ってみたが赤ちゃんはいなかった』ので、やはり誰かに預けたのだと捜すのをやめた。その日の夜、テレビでは女が誘拐犯に子供を返してくれと泣きながら訴えている場面が流れた。
そして次の日、警察は女を偽証罪および殺人罪で逮捕。テレビでは前夜に流れた虚偽の場面が流れていたが、新たな嘘が発覚した。18歳と名乗っていた女は、実は17歳だったのだ。1歳ぐらいの年齢詐称と思いきや、17歳は報道規制がされる年齢。急遽、女はモザイクがかけられ、赤ちゃんの祖母も手元だけの放送と変更されることとなった。
近所の人たちは逮捕された女の行動にショックを隠せないでいる。とても気さくなかわいい子だった。家族も協力的だしベビー服なども全て用意されていて出産を待ち望んでいたのに、なぜこのようなむごいことをしたのか理解できないと述べている。
赤ちゃんには全く罪はない。17歳という若さに関係なく、親としての責任を強く持ってもらいたかった。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)