季節の商品が登場するたびに新しいコマーシャルを流すマクドナルド。10月上旬までのメニュー「たまごダブルマック」のコマーシャルに、なんとなく引っかかりを感じなかっただろうか。
登場人物は3人の男女。2人の男性はブラウンのパーカーにパンツ、女性は白地に大きめのイエローの円がプリントされたワンピースという格好だ。男性がビーフパティ、女性が目玉焼きを表していると思われ、いわゆる擬人化といって差し支えないだろう。
この3人が、ビーフビーフたまご、のフレーズが印象的なBGMに合わせて芝生に寝転んだり、ベンチで本を読んだりするわけだが、どことはなく違和感を覚えてしまった。
男女の並びは常に、女・男・男。これは実際にたまごとビーフがバンズに挟まれている順番に準じているのであろう。懐かしの旧ドリカム状態ともまた違う3人が、ザ・草食系といった雰囲気でまったりと過ごしている。
これが10年前ならば確実に、女性2人に囲まれる男性を中心に描かれていたであろう。女性が男性を取り合うラブコメ風になっていたかもしれない。それがどうしてこうなったかは、昨今の草食系ブームが無関係とは思えない。
女が強くなり、男が弱くなった。事実はさておき、まことしやかに囁かれているこの通説がコマーシャルにも影響を与えている、というのは勘ぐりすぎであろうか。男性が女性を取り合うのではなく、女性に選択権があるように見えるのもその考えに拍車をかける。それがしっくり来ないというのは私の頭が古いのか。
しかしそんな深読みを捨てれば、ほのぼのとしたサワヤカなCMであった。BLTバーガーが復活するあかつきには、男・男・男でサワヤカに擬人化したものが見てみたい。今の時代ならば需要は少なくはないはずだ。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)