今週の水曜日、ジンバブエ産ダイヤモンドが市場に出ることとなった。しかし、ダイヤモンドが発掘された場所というのが曰くつきなのだ。人権保護団体によると、その場所では軍人たちがおよそ200人のジンバブエ人を殺害、また子供の労働者が300人もいるらしい。
水曜日、ジンバブエのハラレ空港は軍隊や警察によって厳重体制を取っていた。その日はイスラエル、インド、レバノン、ロシアからのバイヤーがプライベートジェットで降り立ったからだ。世界ダイヤモンド管理団体(the world diamond control body)のジンバブエ監査は東ジンバブエの2つの採掘場からダイヤモンドが届いており、およそ90万カラットが水曜日にオークションにかけられたそうだ。
そのうちの一つ、Marangeダイヤモンド採掘場は2009年に問題になった場所なのだ。この採掘場は2006年に発見され、世界のダイヤモンド需要の4分の1を占めるほどダイヤモンドが埋蔵されているとも言われている。しかしこの採掘場で働いている人々は、「dig or die(掘るか死ぬか)」と脅された人や、軍人にレイプされたり暴行を受けたりした一般市民が送られてきたのだという。特に人権保護団体が注目しているのは、子供の労働。10歳前後の子供が1日11時間以上、無給もしくは低賃金で働いていることが発覚したのだ。2009年2月の時点で働いていた子供はなんと300人だった。
これに対しジンバブエの鉱山省は「くだらない偽り」と人権保護団体を非難している。
このダイヤモンドは非公表で20億USドルの価値があるとまで言われており、市場に出回ればジンバブエの落ち込みすぎた経済の救世主となるかもしれない。しかも「blood diamonds」に分類されるものではないとも言われている。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)