writer : techinsight

“街行く人々の心に問答無用でねじりこむ。”いまなぜ「プロモーションシャトル」なのか?

最近、記者は“あるモノ”にイライラしている。いま何よりも記者を苛立たせるもの。それは都内を我が物顔で走り回る「プロモーションシャトル」。簡単に言えば、「宣伝バス」だ。新作映画、アーティストやアイドルのアルバム、外国産ビール、果ては出会い系サイト、キャバクラまで。デコトラ顔負けのド派手さで、時には大音響を響かせながら記者の車の前に立ちはだかる。ビルの屋上から我々を見下ろす屋外広告のなんと謙虚なことよ。「プロモーションシャトル」は街行く人々、ドライバーの世界に「自己主張」を問答無用でねじりこんでくる。しかもその数は年々増加の一途を辿っている。なぜいま企業は次々とこの「強引過ぎるプロモーション手法」に傾倒するのだろうか。

悔しいことだが、この「プロモーションシャトル」、それなりの宣伝効果を挙げていることは間違いない。理由はいたってシンプルだ。企業側によって「照準を合わせられた」ターゲットたちの移動ルート、活動時間にピンポイントで必要な台数を走らせることができる。ビルの屋上の看板が「待ち」だとしたら「プロモーションシャトル」はまさに「攻め」の手法。記者のイライラなどおかまいなし。あらゆる企業が次々とこのプロモーションに飛びついていく。

実際、ある統計によると交通広告のなかでも「プロモーションシャトル」の広告出稿量は増加の一途を辿っている。景気の影響による業種の違いはあれど、前年比200パーセントを超える出稿量をたたき出している企業もある。いま企業にとってのプロモーション活動の中で、コストパフォーマンスを考えたとき、「プロモーションシャトル」が頭ひとつ飛びぬけていることは否定できない。

「プロモーションシャトル」の効果をここまで突きつけられた以上、もう黙ってしまうしかない記者。そんな記者に追い討ちをかけるように新たな「攻め」の情報が入ってきた。

今月19日から原宿―渋谷間を走っている一風変わった「プロモーションシャトル」。すでに「ターゲット」にされた人もいるだろう。レトロなケーブルカー型バスに、キュートな『ピンク ラテ』のデコロゴ。女子中高生に人気のセレクトショップ『ピンク ラテ』が期間限定で運行しているシャトルバスなのだそうだ。

ピンク ラテ』原宿店による夏休み後半のスペシャル企画としてスタートしたこの「プロモーションシャトル」。今月19日(木)~8月25日(水)の期間限定で、13時~19時の間に1時間1便のペースで計6便(イベントによって変更あり)が運行されており、乗車の条件は『ピンク ラテ』のレシート。1便定員16名(140cm以上の女性に限る。ただし、小学生は必ず保護者同伴での乗車。保護者は男性可。)というかなり強気の狭き門。狙い通り、乗車希望者は現在殺到しているという。

ちなみに、24日(火)には『JUNON Cafe』とのコラボも予定されており、JUNON BOYによる『ピンク ラテ』バス・ジャックや『ピンク ラテ』レジジャック(原宿店)のほか、『ピンク ラテ』スタイリングを話題とした「トークショー」まで開催される予定。ということは、運が良ければ『ピンク ラテ』バスに乗っているときに、市川 知宏くん、井深克彦くん、鈴木身来くん、内海大輔くん、福井啓太くんらJUNON BOYとご対面なんてラッキーハプニングに遭遇する可能性もある。

しかも「お楽しみ」はこれだけではない。25日(水)には女性ファッション誌『Ranzuki』とのコラボも予定されており、こちらはRunzuki☆GALモデルによる『ピンク ラテ』バス・ジャックや浅草散歩などが盛り込まれている。さらに、Runzuki☆GALモデルにジャックされて散歩を満喫した後には、『ピンク ラテ』屋形船withランズキ☆GALと題した『ピンク ラテ』仕様にデコレーションされた屋形船でもんじゃ大会をしながら浅草―月島間を楽しめるというオマケまで「ご用意」されている。『Ranzuki』コラボは、一般の方は参加できないが見学することはできる。

「プロモーションシャトル」だけならまだしも、屋形船にもんじゃ焼き。『ピンク ラテ』のプロモーションにかける熱意とシビアなコストパフォーマンス意識には頭が下がる。彼らの企画にはユーザーを喜ばせる要素が山のように盛り込まれている。当然、残り少ない夏休みに刺激を求めるティーンズの購買意欲をそそるタイミングも計算されている。

ここまで来ればもう「プロモーションシャトル」にイライラすることはできない。企業側が最適のパフォーマンスでプロモーションを行うことができ、そしてなによりユーザー達にこれ以上ないほどの刺激と興奮を与えてくれるのだから。

明日も取材で都内に車を走らせる記者。場所はちょうど原宿、表参道だ。『ピンク ラテ』のプロモーションシャトルに遭遇する可能性は低くはない。むしろ、ぜひお目にかかりたいものである。

■『ピンク ラテ』詳細 http://pinklatte.net/
(TechinsightJapan編集部 井上希)