「リンカーン」の中の「俺の一品」は、レギュラーメンバーがお気に入りのものを披露しあってそれぞれの好みを確認し合うコーナーである。8月17日のテーマは「欠かさず見ているテレビ番組」。芸人たちが好きなのは意外な番組だった。
芸人たちの笑いのセンスはどんなところから生まれてくれるのだろう。普段から一般人とは違うものの見方をしていて、それは日ごろから見ているテレビ番組にも表れているに違いない。そんなことを思いながら見た結果は、意外なものばかりだった。
まず、キャイ~ンのウドは「ダーウィンが来た!(NHK)」。雨上がり決死隊の蛍原は「競馬場の達人(CS・グリーンチャンネル)」と、それぞれ良質のドキュメンタリー番組をあげた。そしてさまぁ~ず三村は「とくダネ!(フジテレビ)」とニュース色の濃いワイドショーを、さまぁ~ず大竹は「すぽると!(フジ)」とスポーツニュースを選んだ。
キャイ~ン天野が選んだのは「ワールドビジネスサテライト(テレビ東京)」。経済系に強いところがいいという。これはダウンタウン・松本も好きでよく見ているそうだ。雨上がり決死隊・宮迫が「子どもが好きでいつも見ている」という理由で選んだのは「世界の果てまでイッテQ!(日本テレビ)」だった。
気になるダウンタウンはと言うと、松本が「渡辺篤史の建もの探訪(テレビ朝日)」、浜田が「報道STATION(テレビ朝日)」という結果だった。
ここでメンバーから「報道STATION」は「リンカーン」の裏だという指摘が入った。しかも「リンカーン」だけではなくて「ダウンタウンDX」や、浜田が司会をする「イチハチ」も裏ではないかと次々に非難の声が上がった。困った浜田は松本に助けを求めるように「『報道STATION』つい見てしまうやろ」と言うと、松本もうなずいて「見てる」。国民的番組ともいえる「報道STATION」であるから、いたしかたないことなのかもしれない。自分の番組は、録画でチェックしていることだろう、たぶん。
全体的に際立った特徴のない結果だった。一般人の40代の男性に聞いた結果と言っても違和感はない。テレビでふざけている姿はあくまでも“仕事”であって、嗜好は一般男性と殆ど変わらないのだろう。彼らも普通のオジサンなのだと、親近感を抱いた視聴者も多いのではないだろうか。
だが、TBSの番組がひとつも選ばれていなかったことに問題はないのだろうか。局とメンバーの間には、そんなことではゆるがない強い信頼関係があるのだと信じよう。この結果が改編期に響かないことを祈る。
(TechinsightJapan編集部 大藪春美)