中国甘粛省の舟曲県で8日未明、大規模な土石流が発生、3つの村300戸あまりが一瞬にして土砂に埋まった。10日早朝には、337人が死亡、1148人が行方不明となっている。

被災地の舟曲県は甘粛省チベット族自治区に位置し、四川省に隣接する。総人口約13万5000人のうち、チベット族が4万4000人で、かつては「桃源郷」と呼ばれた地である。

7日夜10時頃から降り始めた大雨は、翌深夜1時まで続き、土石流を引き起こした。長さ5km、幅500mにも及んだ大規模な土石流は、市街地に流れ込み、家屋や建物を跡形もなく流し去った。

土石流発生後、7000人近い軍や警察も動員し、救助活動を行っており、8日夜の情報では一部の電力が回復し、一部の道路も開通しているという。しかし、大型機具の進入が困難なため、救助隊員は手で掘り進めるしかなく、救助活動は難航している。

今回の土石流について、ツイッター上では討論が行われ、ダム建設や鉱山採掘による森林破壊が原因と指摘する声が上がっている。舟曲県では長年、金の採掘が行われ、それにより山が破壊されてしまったという。舟曲県は県全体が破壊された山の谷に位置するため、数年前にも地質災害高発地区として報告されていた。
（TechinsightJapan編集部 片倉愛）