アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】W杯終了後に”よみがえるアノ恐怖”。すでに数百名のジンバブエ人、南アを脱出。(南ア)

11日にW杯が終了すると、国のお祭りムードもおしまい、”通常の生活”へと戻っていくことになるであろう南アフリカ。ゼノフォビア(外国人排斥)の過激化を恐れたジンバブエ人数百名は、W杯が終わる前に南アフリカを脱出することにした。

ケープタウンから出るトラックに家財道具を詰め込み、数十名が乗り込んだ。小さい少女は人形を抱きしめ、寒い中、出発を待っている。彼らはワールドカップが終わった後、ゼノフォビアが激化するのを恐れて南アフリカを脱出する決意をした。

ワールドカップ関連の仕事にありつけた南アフリカ人が再び無職となったとき、その矛先は明らかに「仕事のある外国人」に向けられるからだ。2008年にジンバブエ人をはじめとする黒人外国人を対象にしたゼノフォビアがケープタウンで勃発、家を焼かれて命からがら逃げ出した人や、家財道具全てを盗られた人、殺された人などを合わせると、数百名にも上る。

ここ最近では、男性(27)が動いている電車から駅のホームに落とされて、命は取り留めたものの足首を骨折、頭を強く打った。しかし警察は電車から落ちたものとして事件にしなかった。彼は電車に乗って帰宅する途中で、数名の男女に囲まれて『自分の国の問題は自分の国で解決しろ。南アフリカから出て行け』と脅された。そして、こじ開けた電車のドアから放り投げられた。怪我をした体で這いずるように次の電車に乗り込み、下車後に鉄道警察へ通報、病院へと搬送された。鉄道警察が電車から落ちたという事故で報告していたため、警察では事件にしなかった。

またある一家は、『ワールドカップが終わったらお前の家を燃やす』と近所の人から脅され、ジンバブエに帰ることを決意した。ケープタウンからヨハネスブルグまで行くのに一番安いのがトラックで、1人100~200ランド。そこからバスでジンバブエへといくそうだ。ただしトラックが来るまで数日間待たなければならない時もあり、寒空の下で眠る日々が続いている人もいる。

ソマリア人のショップオーナーは、近所の人が『外国人攻撃』について話し合っているのを聞いたという。そのため、店の品を補充することを一時中止した。賃貸している人々は、家の所有者から「ゼノフォビアで家を壊されたくない」と、出て行くように言われた。

ワールドカップ終了と共に、命の危険が迫っている。ゼノフォビアが起こらないことを祈る。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)