Mac上でWindowsアプリケーションを使う方法には、仮想マシン上にWindowsをインストールしてからそこにアプリケーションをインストールする方法と、バイナリ互換レイヤーをインストールしてその上にアプリケーションをインストールする方法がある。
後者を代表するソフトがCrossOver Macであるが、アプリによって対応しているものと、していないものがあるのがネックだった。しかし、今回発表される最新版では、この点についてC4PファイルというXML形式の『レシピー』を使ってインストールする方法を採用し、互換性が飛躍的に高まった。
CrossOver Macは、MacでWindowsアプリケーションをネイティブに動作させることができる互換レイヤーソフトである。一般的な仮想化ソフトとは違い、仮想マシン環境の構築、設定、Windows OSのインストールなどの手間をかけずにWindowsアプリケーションをインストールして実行できる。
製品の性質上Windows OSは必要ではないので、Windowsを購入するためのコストもかからない。さらに互換レイヤーを使用しているので、オーバーヘッドが少なく動作が軽いのも特長である。
CrossOver Macを使えば、Microsoft Office(Word、Excel、PowerPoint、Outlook)、Internet Explorer、Adobe FrameMaker、一太郎、ホームページ・ビルダーなどのWindowsソフトがMac上でシームレスに動作する。
従来CrossOver Macで正式にサポートされていない特定のWindowsアプリケーションを使いたい場合、あらかじめボトルに必要なファイルや設定を行い、インストールを試して、実行できるかを確認してみる、という方法しかなかった。
新バージョンでサポートされたC4Pファイルは、アプリケーションのインストール手順や設定を記述できる新しい機能である。
CrossOver Macで正式にサポートされていないアプリケーションでも、このアプリケーション用のC4Pファイルが公開されていれば、CrossOver Macは自動的にそのアプリケーションをインストールして使用できる状態にしてくれる。
パッケージ版は2010年8月6日より販売開始。また、ダウンロード版は先行して、7月22日より販売される。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)